八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて重大局面!

2020年03月28日 22時17分11秒 | 管理人のこと、雑感

2週間前、新型コロナウイルスの感染拡大について、日本はまだ「持ちこたえている」と書きました。しかし、その後、20日(金)~22日(日)の3連休で、多くのコメンテーターが「緩んだ」と発言したように、大阪と兵庫の往来の自粛を要請した大阪府と違い、東京都は緊張感がありませんでした。

 

すると、23日(月)、24日(火)とそれまでを上回る10数名の感染者が都内で発生し、25日(水)には、何と感染者が41名まで膨れ上がり、20時には小池東京都知事が会見を開き、「今週末の土日の外出自粛」、「平日の夜間の外出自粛」を要請しました。特に、問題なのは、感染経路が不明の感染者が増えていることです。

 

小池知事の会見は、生放送もされてインパクトもあり、事前に近隣の神奈川、千葉、埼玉、山梨とも調整するなど、連携不足が見えた大阪・兵庫よりは用意周到でしたが、23日に東京オリンピック延期の方向が固まるのを待っての会見だったのではないかとの憶測もあったように、一歩判断が遅かったかもしれません。大阪の吉村知事が得ていたという今後の感染者数増加の試算を東京都も同じタイミングで得ていたということですので。

 

それを裏付けるよに、小池知事の会見後も、都内の感染者はさらに高水準となり、26日(木)には47名、27日(金)には40名となっており、週末自粛の初日となった本日28日(土)は、63名の感染者が判明しました。もちろん、平均潜伏期間が5日程度と言われますので、小池都知事の会見の効果はこれからですが、逆に、一歩判断が遅かったのでは(3連休の緩みの結果ではないか)と思われるデータではないかと思います。

 

一方、まだギリギリ徳俵で「持ちこたえている」と言えるかもしれないのは、本日の63名の感染者のうち、30名は台東区の病院での院内感染で、他にも数名の病院での感染があり、まだ極端に感染経路不明者が増大しているわけではないことです(詳細はこの後東京都から発表があるようです)。

 

本日からの週末の外出自粛要請については、要請された都民だけではなく、関連する企業にも大きな影響がありました。私の会社でも、小池都知事の会見翌日朝から事業所の営業休止などについて、議論を重ね、対応策を検討しましたが、難しいのは、判断のための材料が小池都知事の要請内容だけで、そこにはライブハウスなど既に判明しているクラスター発生要因に対しては具体的な発言があったものの、それ以外には具体的な指針がなく、その真意を忖度せざるを得なかったためです。

 

もちろん、日本の特措法や非常事態宣言には、海外のような強制力はなく、今回の都知事の発言は、非常事態宣言も出ていない段階のものなので、慎重にオブラートに包まざるを得なかったのは分かります。しかし、小池都知事の発言にもあったように、オーバーシュート(爆発的感染拡大)、ロックダウン(都市封鎖)の重大局面なのだとしたら、もう一歩踏み込んだ発信がほしいですよね

 

報道を注意深く見ると、感染経路不明の感染者が増加していることが懸念されており、その行動歴を調査すると、どうやら繁華街での飲食店でのクラスターが疑われ(要するにお酒を飲む場所ですよね)、それが「夜間の外出自粛要請」につながっているようです

 

しかし、今のところ、広く国民に周知されてるのは、「密閉」「密集」「密接(な会話)」の「3つの密」を避けることだけであり、既にクラスターとして、ライブハウスやスポーツジム、病院、介護施設などは知られていますが、「繁華街での飲食店(お酒を提供する飲食店)」でのクラスターが疑われるのであれば、もっと明確に発表すべきだと思います。さらに言えば、国は、こうした飲食店の営業補償をした上で、休業を強く要請すべきではないかと思います。でないと、企業ごとに様々判断した結果の対応にバラツキが出て、都民、国民に不信感を植え付けることになります(その他の業種を含めギリギリの判断をしている企業も困ることになります)。もちろん、様々な法的制約や財源の問題があることは分かりますが、「非常事態宣言」を出すような状況であれば、政治も非常事態の対応をすべきです。少なくとも首相夫人が呑気に花見などをしている場合ではないですね。

 

話は変わりますが、理科系はからっきしの私ですが、易しく書かれた理科系の本を読むことは大好きです。内容はほとんど頭に残りませんが、妙に頭に残っていることがあります。それは、「生物」の線引きについてです。生物についての完全な定義があるわけではないようですが、その一つでは、ウイルスは生物ではないとされており、それは何故かと言えば、自分だけで増殖することが出来ないからだそうです。ウイルスの次に小さい菌は、細胞分裂などで自己増殖できますが、ウイルスは宿主の中でしか増殖することが出来ません。

 

つまり、ウイルスは、目、鼻、喉などの人間の粘膜に入り込めなければ、増殖できずに死滅するのです(生物でないとしたら、死滅という表現も違うのかもしれませんが)。だからこそ、まずは、人間に入り込ませないように、密閉、密集、密接を避けるべきなのであり、それでも分からないうちに接触感染してしまう可能性があるため、高頻度で手洗いをすべきなのです。今回の新型コロナウイルスは結構長時間死滅しないことが報告されていますが、それでもウイルスは生物に寄生できなければ死滅するのです。こういう基本的なメカニズムの啓発もとても重要な気がします。念仏のように、うがい、手洗いなどと言っていても効果がなく、どういう理由で、どういうタイミングで、やらなければいけないのかということを知ることがとても大切だと思います。

 

さらに話は変わりますが、日本は、第二次世界大戦での敗戦後、75年もの長きにわたり戦禍を経験していない稀有な国です。それでも、その後、日本も様々な大きな出来事を経験してきました。今回延期となってしまった東京オリンピックも、最初は戦争で中止となり、高度成長期の1964年に開催となりましたが、残念ながら私は生まれておらず、経験していません。その後のオイルショックも、まだ幼かったため、ほとんど記憶にありません。

 

その後、自らの記憶にある大きな出来事と言えば、就職してからのバブル崩壊ですが、インパクトが大きかったのは、それ自体ではなく、その後の不良債権処理が進まず迎えた、1997年の金融危機です。それまでは全く考えられなかったような、拓銀、山一証券、長銀、日債銀といった名だたる金融機関が破たんし、心底恐ろしく思ったものです。というのも、その前年にはバブル崩壊から若干経済が上向きになり、私もローンを組んで、ここ八王子で自宅を購入した時期だったからです。子ども二人もまだ幼く、当時の私には目もくらむようなローンを抱え、愕然としたのを覚えています。

 

それでも、何とか日本経済も持ち直し、我が家も何とか八王子で地道に生活していくことが出来るようになりました。次に、私が恐怖を感じたのは、金融危機から10年前後の2008年のリーマンショックの時です。超優良企業であるトヨタ自動車が数千億円の赤字を計上し、当時はまだ存在感が大きかった電機メーカーも同じく数千億円の赤字を計上するに至り、その影響が裾野に広がるにつけ、経済全体に広がっていきました。あの時のことを一言で表現すると、「需要の消滅(蒸発)」です。普通、何か特殊要因で一旦需要が減っても、その要因がなくなれば、反動で増加するものです。しかり、リーマンショックでは、単に蒸発してなくなっただけで、戻りませんでした。つまり、国民はこの事象を一時的要因ではなく、ライフスタイルの変容が必要な事象と捉えたということです。それでも、企業は様々な対策を講じて、この難局を乗り越えました。

 

しかし、2011年3月11日、ご承知の通り、あの大震災がありました。このブログの中でもその時の状況はずっと書いていますが、この時も、もちろん経済的影響はありましたが、リーマンショックほどではなく、むしろ復興に向けての前向きな気分の方が勝っていたように思います。

 

そして、今回の新型コロナウイルスです。これがどこで終息するのか、まだ見通せませんが、これは本当にこれまで経験したことのない未曽有の事態です。日本だけでなく、アメリカの状態も大変なことになっていますし、世界レベルの問題になっています。

 

それでも、何とかこの事態を乗り越えていくしかありません。 先に書いたように、ウイルスは自分自身では増殖し、生き残ることは出来ません。そのことをよく理解し、ウイルスをいかに、自分自身に近づけないか。それが何度も言われている、「密閉、密集、密接の回避」、「高頻度の手洗い」です。それを徹底するよう、政府・行政機関、マスコミもしっかり周知することが重要と思います。

 

 

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新型コロナウイルス影響拡大!

2020年03月15日 17時43分33秒 | 管理人のこと、雑感

新型コロナウイルス感染拡大が世界中でとどまるところを知りません。WHOもパンデミック(世界的大流行)を認めざるを得ませんでした。

 

発信源となった中国では、中国ならではの国家体制の統制力でどうやら終息に向かっているようです。一方、中国と対極にある自由主義経済圏の欧米での感染が拡大しています。非常事態宣言などを出している国もありますが、中国のような厳格な管理は難しく、封じ込めは微妙です。

 

クルーズ船での感染拡大で、その欧米各国から心配(あるいは批判)されていた日本は、毎日の感染者は50~60名前後と、欧米より一桁少なく、数の上では「何とか持ちこたえている」という専門家会議の発言となってます。これは検査数が少ないからではないかとの疑念も持たれていますが、それでも実際に欧米ほどの流行には至っていないのかもしれません。元々マスクをする人が多く、安倍首相の無計画なイベント自粛要請や学校の休業要請などに、文句を言いながらもある程度従っている日本人の気質が今のところ功を奏しているのかもしれません。

 

濃厚接触者を追えなくなる市中感染が増加すると本格的な流行と言えますが、今のところ、ライブハウス、病院、介護施設、スポーツジムなど特定施設でのクラスター(集団発生)が大半で、こうした点からも「何とか持ちこたえている」と言えそうです。

 

とはいえ、こうしたクラスターを封じ込めるには、密閉空間での大人数での集会、イベントなどは自粛せざるを得ず、コンサートや各種イベントの中止などが相次ぎ、社会・経済的な影響は拡大するばかりです。私の会社でも、事務部門では基本テレワークと言われる在宅勤務が推奨され、営業面でも大きな影響が出ていますが、この新型コロナウイルスの感染拡大を止めないことには根本解決になりませんから、致し方ありません。

 

そして、この影響はスポーツ界にも広がり、Jリーグは試合延期、プロ野球オープン戦・大相撲は無観客試合、高校スポーツも高体連傘下のスポーツの大会はすべて中止となり、高体連に属さない高野連は、選抜大会の開催を模索していたものの、先日遂に中止を決定しました。生徒の安全、他のスポーツとのバランスを考えると致し方ないと思いますが、「甲子園」は高校スポーツでは別格の存在だけに、出場予定だった選手たちの気持ちはいかばかりかと思います。

 

そして、日本以上の感染拡大を見せている欧米では、トップのプロ選手にも感染が拡大し、各団体が開催延期や中止に追い込まれています。こうした状況下、東京オリンピック開催に向け、日本政府や東京都は意欲を見せていますが、世界の感染を封じ込めなければ、開催は難しい状況に追い込まれるかもしれませんね。

 

そして、当然影響は学童野球にもおよび、八王子市からの指導で3月22日まで対外試合・練習中止となったそうです(そして、現在の状況では当然延長されるでしょうね)。散ドラ恒例の親子大会・卒団式も延期もしくは中止となったでしょうか。卒業式ですら、大変な制約を受けるご時世ですから、これまた致し方ないのかもしれません。

 

世の中は「巣ごもり消費」、「コロナ疲れ」などの言葉が躍り、12年前のリーマン・ショック、9年前の東日本大震災になぞらえる向きもありますが、経済的損失は類似しているかもしれませんが、社会の変容の質は同じではないような気がします。しかし、いずれいせよ、このパンデミックが終息した後は、何らかの社会の変容をもたらすのだと思います。

 

それがどのようなものであれ、今はとにかく一刻も早い終息を願うしかありません。そのためには、一人ひとりが出来ることをするしかありません。マスクの着用、高頻度の手洗い・手指消毒、咳エチケット、部屋の換気、大人数の密閉空間を避ける、熱がある時は仕事や学校を休む。こうしたことを一人ひとりが励行するしかありませんね。

 

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東京五輪、男女マラソン最後の1枠決定!

2020年03月08日 22時21分42秒 | スポーツ

先日の東京マラソンで大迫傑選手が日本記録を更新し、ほぼマラソン日本代表の最後の枠をほぼ手中にしていましたが、今日の琵琶湖毎日マラソンで大迫選手の記録を更新するには至らず、大迫選手の五輪代表選出が正式に決定しました。

 

それよりも、本日の注目は女子の最終選考となった名古屋ウィメンズマラソンの結果でした。MGCで代表入りを決めたのは、前田穂南、鈴木亜由子でした。前田と同僚の小原怜は無念の3位に終わり、実力者松田瑞生も4位に沈みました。

 

この結果を受け、1月の大阪国際女子マラソンには、大迫同様結果待ちではなく小原怜がエントリーし、大阪出身の松田瑞生も地元でのリベンジを期してエントリーしました。結果は、松田瑞生選手が外国人選手を置き去りにし、日本人歴代6位となる2時間21分47秒の好記録での優勝でした。残る1枠は、最後の選考レースでこの記録を上回らなくてはならず、松田選手が代表選考レースで圧倒的優位に立ったのは間違いなく、MGCで失意のどん底に沈んだ松田選手の破顔の笑顔がそれを証明していました。

 

そして、今日の名古屋ウィメンズマラソンには、かつてこの大会で、大阪での松田選手の記録を上回る2時間21分36秒の歴代日本4位の記録を出した安藤友香、大阪国際女子を意図的に途中棄権して今大会にかけた福士加代子、MGC6位の一山麻緒のワコール勢を始め、有力選手が最後の望みを賭けて出場しました。

 

しかし、今日は低い気温の中で冷たい雨が降る最悪のコンディションでした。普通なら記録が望めないコンディションでしたが、ペースメーカーはしっかりとペースを刻み、ワコール勢と新鋭の日本人選手がこのペースについていきます。しかし、この悪コンディションの中でのハイペースで、福士が遅れ、新鋭の細田が遅れ、安藤も遅れます。そして、30kmでペースメーカーが外れると、実質初マラソンの佐藤も遅れていきます。

 

普通なら、外国人選手に置いていかれ、こうした展開になりますが、今日のこの展開を作ったのは何とマラソン数回目の22歳の一山麻緒選手でした。普通、ペースメーカーが外れるとペースが落ちる展開が多いですが、一山選手は30kmからペースを上げていきました。これが本当に驚きでした。

 

しかし、まだ10km以上を残しています。先日の東京マラソンの井上大仁選手のように急にガス欠になったようにブレーキがかかるような事態が起きないとも限りません。少し心配しながら見ていましが、そんな心配を吹き飛ばすように、外国人選手をどんどん置き去りにし、最後までばてることなく、何と2時間20分29秒の日本歴代4位、日本国内最高記録で優勝し、オリンピック代表の最後の1枠をゲットしました。見事でした。

 

1月の大阪国際女子マラソンもTV観戦し、松田選手の涙のフィニッシュにも感動しました。その時の松田選手の気持ちを考えると本当に気の毒ですが、それでも選考にはまったくの疑問もありません。MGCで候補者が同じ土俵で戦い、その後の大会で選手たちが最後の挑戦で戦い、圧倒的な記録で、最後一山麻緒選手が代表入りを決めました。松田選手も悔しさはあっても、不満はまったくない結果なのだと思います。

 

かつて、マラソンの代表選考では不透明なことが多くありましたが、今回のMGCを中心に据えた代表選考は、かつてない競争意識を生み出し、また文句のない公平性をもたらしたと思います。

 

この好循環で、東京オリンピックでも何とか結果を出してほしいですね。

 

 

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東京マラソン、大迫傑日本記録更新!

2020年03月01日 18時08分07秒 | スポーツ

例年応募が殺到する東京マラソンですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般ランナーの出場が中止となりました。来年の出場権を確保できることになったためか、参加費を返却しないという決定にも、思いのほか反対意見はなかったように思います。観客の観戦自粛も求められた中でも、応援する人が大勢いたものの、例年のようなお祭り感がまったくない異例の大会となりました。

 

それに今大会は、オリンピック代表の最後の一枠を目指す実質的な最終戦とあって、MGCで出場権を逃した大迫、設楽、井上のビッグ3が、最低条件である日本新記録と日本人トップを目指してしのぎを削るという点でも、緊張感いっぱいの異例の大会となりました。

 

今大会は、2パターンのペースメーカーが設定されましたが、どちらのパターンも大迫の日本記録を上回る設定です。果たしてどれだけの選手がそのペースについていけるのか?

 

MGCでは、異端児設楽がスタートから飛び出し、逃げ切りを狙いましたが、後半失速し大敗。井上は調整の失敗か、最初から流れに乗れずまさかの最下位。クレバーに試合展開を読んでいたかに見えた大迫も、周囲に合わせすぎたのか、終盤での中村匠吾、服部勇馬との競り合いについていけず3位に沈み、有力候補に残ったとはいえ、代表決定を逃しました。

 

この結果を踏まえて、この3人がどのようなレースをするのか、興味津々でテレビ観戦です。

 

スタート直後から、井上大仁は先頭のペースメーカー後ろで積極的にレースを進めます。大迫は、先頭集団に着いていきますが、やや後方に付きます。そして、MGCではスタートから飛び出した設楽悠太は第2集団のペースメーカーに付きました。

 

井上と設楽は、MGCでの反省を踏まえた走り、大迫はいつも通りのゲームプランという展開でしょうか。

 

 

先頭集団が日本記録をはるかに上回るペースで進む中、大迫はスペシャルドリンクを取り損ねて一瞬立ち止まるなど、順調なペースで走る井上とは対照的に、中盤から少しずつ離されていきました。前半自重した設楽は後半出てくるかと思っていましたが、後半に入って逆に第2集団の後方に下がり、爆発する気配が見えません。

 

あまりのハイペースにペースメーカーも最後は一人になるほどで、井上もアフリカ選手から少し遅れ始めましたが、それでも走りはしっかりしており、解説者も井上の日本記録を更新しての日本人トップでのゴールを予想していました。

 

しかし、ペースメーカーがいなくなった30km以降、遅れていた大迫がジリジリと前の第2集団に迫ります。そして、第2集団を捉えたカメラから飛び込んできたのは、それまでとは打って変わって、明らかに苦しそうな井上の表情です。まさかまさかの展開です。

 

ほどなく大迫は、井上らの第2集団に追い付きました。そして、そのまましばらく付いていくのかと思っていました。大迫は、他の日本人が自身の日本記録を破らないか、日本記録を破っても自分自身が負けなければ良いという優位な立場にあり、無理する必要はないからです。

 

しかし、大迫はペースが落ちている第2集団に付き合うつもりはさらさらなかったようです。すぐに井上の横に並ぶと、井上の表情を確認して、そのまま前に出ていき、他のアフリカ選手も抜いて先頭に立ちました。

 

大迫は終盤何度も右わき腹を手で押さえるなど、変調があったのは明らかでしたが、ペースダウンすることなく、最終的には、第2集団で競っていた一人には抜かれ、前からこぼれてきた選手一人を抜いて、全体4位ならが、2時間5分29秒と自身の日本記録を21秒更新する新記録でゴールしました。まだ、選考レースは、琵琶湖毎日マラソンを残していますが、ほぼオリンピック代表の座を手中にしました。前回と同じようなレース展開のように見えて、実は中盤での自重も、終盤での粘りも、前回での反省をしっかり踏まえたものでした。見事なレース展開でした。

 

一方、30kmまで日本記録ペースだった井上は、終盤大失速で2時間9分34秒の26位に沈み、設楽も2時間7分45秒の好記録ながら一度も見せ場を作れず、16位に終わりました。

 

ということで、注目されたビッグ3中心に書いてきましたが、選手の競争を促進する一連のオリンピック選考の最高の副産物が、今回のビッグ3以外の好記録続出の結果でしょう。

 

 8位 高久龍  2時間6分45秒

 9位 上門大祐 2時間6分54秒

10位 定方俊樹 2時間7分 5秒

11位 木村 槙  2時間7分20秒

12位 小椋裕介 2時間7分23秒

13位 下田裕太 2時間7分27秒

14位 菊地賢人 2時間7分31秒

15位 一色恭志 2時間7分39秒

16位 設楽悠太 2時間7分45秒

 

と、2時間5分台1名、6分台2名、7分台7名と好記録が続出したことです。もちろん、アフリカ選手には後れをとっていますし、ペースメーカーの力もあります。それでも、これまでの日本人の記録では、5分台1名、6分台5名、7分台12名しかいなかったことを考えれば、大躍進です。これまで停滞していたものが、一気に動き出した感があります。やはり競争は大事だということですね。

 

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