作者の代表作「バッテリー」の続編。
「バッテリー」で4巻からさんざん気を持たせた原田クンと門脇クンの対決を6巻の最後まで引っ張り続けた挙げ句に結果を書かずに終わらせた作者は、ここでもやはりその試合が終わって2ヵ月たったところから話をはじめます。で、先に結果を書いてから、回想で試合の一部だけが再現されます。
クライマックスの試合シーンを楽しむことはあさの作品では期待してはいけないことは、これまでの経験から読者は学んでいるでしょうから、むしろ中盤で門脇クンの第2打席が再現されただけでも期待以上かも知れません。
作品としては、1ホームランの後2三振と抑えられた門脇クンが原田クンとの対決の機会を持つためだけに名門校への野球推薦を断って地元の高校に行ったその生き様を、自らも普通には天才と呼ばれる才能を持ちながら隔絶した天才が身近にいることで自分の才能を信じ切れず屈折した思いと葛藤を持ち続ける瑞垣クンの思いから語るところにポイントが置かれています。原田クンは完全に脇役(材料でしょうか)で、むしろ原田クンを信じ切れるキャッチャー永倉クンへのやはり屈折した羨望が語られたりします。
この作品の終わりでもまだ原田クンは中学2年生の始め、門脇クンも瑞垣クンも高校1年生。また2年後くらいに続編が書かれるんでしょうか。
内容からすれば当然に「バッテリーⅦ」なのですが、なぜ別タイトルなのか、出版社が変わったこと(版権の問題か)以外にも何か理由があるんでしょうか?
あさのあつこ 角川書店 2007年2月14日発行
「バッテリー」で4巻からさんざん気を持たせた原田クンと門脇クンの対決を6巻の最後まで引っ張り続けた挙げ句に結果を書かずに終わらせた作者は、ここでもやはりその試合が終わって2ヵ月たったところから話をはじめます。で、先に結果を書いてから、回想で試合の一部だけが再現されます。
クライマックスの試合シーンを楽しむことはあさの作品では期待してはいけないことは、これまでの経験から読者は学んでいるでしょうから、むしろ中盤で門脇クンの第2打席が再現されただけでも期待以上かも知れません。
作品としては、1ホームランの後2三振と抑えられた門脇クンが原田クンとの対決の機会を持つためだけに名門校への野球推薦を断って地元の高校に行ったその生き様を、自らも普通には天才と呼ばれる才能を持ちながら隔絶した天才が身近にいることで自分の才能を信じ切れず屈折した思いと葛藤を持ち続ける瑞垣クンの思いから語るところにポイントが置かれています。原田クンは完全に脇役(材料でしょうか)で、むしろ原田クンを信じ切れるキャッチャー永倉クンへのやはり屈折した羨望が語られたりします。
この作品の終わりでもまだ原田クンは中学2年生の始め、門脇クンも瑞垣クンも高校1年生。また2年後くらいに続編が書かれるんでしょうか。
内容からすれば当然に「バッテリーⅦ」なのですが、なぜ別タイトルなのか、出版社が変わったこと(版権の問題か)以外にも何か理由があるんでしょうか?
あさのあつこ 角川書店 2007年2月14日発行