ロースクール(法科大学院)用の交渉学の教科書兼資料集として作成されたもの。
執筆者は6名で元裁判官が2名、弁護士(使用者側)が1名、学者が2名、コンサルタントが1名という構成。書き下ろし部分が少なく、執筆者が過去に書いた原稿の抄録や他の本の要約紹介部分が多く、実質的には教材集という感じ。交渉についての執筆者のスタンスが異なり、書き下ろしの6名分担の章など、1冊の本とは感じにくい。全体としてはかなり寄せ集めの印象を持ちます。
むしろ、交渉というものは学問として確立しているものではなく、様々な視点・切り口のあるものと認識するのによい教材と言うべきでしょう。
内容的には、日頃交渉を仕事としている者としては特に目新しいことはないのですが、概念として明確化されたり整理されている点では勉強になりました。
もっとも、その点よりは、特に元裁判官や企業側弁護士執筆部分について、そういう人々の見方・考え方や事例部分が一番興味をそそられましたけどね。
ただ、2005年初版・2007年第2版の本にしては、日弁連の懲戒件数の表が1999年までだったり(149頁)、労働審判法が「2006年5月までの間に施行される」(242頁)なんて記載が残っているのはお粗末。書き下ろしの少なさと合わせて、もう少し本作りに手をかけて欲しいと、読者としては感じます。
太田勝造、草野芳郎編著 白桃書房 2007年9月26日発行 (初版は2005年)
執筆者は6名で元裁判官が2名、弁護士(使用者側)が1名、学者が2名、コンサルタントが1名という構成。書き下ろし部分が少なく、執筆者が過去に書いた原稿の抄録や他の本の要約紹介部分が多く、実質的には教材集という感じ。交渉についての執筆者のスタンスが異なり、書き下ろしの6名分担の章など、1冊の本とは感じにくい。全体としてはかなり寄せ集めの印象を持ちます。
むしろ、交渉というものは学問として確立しているものではなく、様々な視点・切り口のあるものと認識するのによい教材と言うべきでしょう。
内容的には、日頃交渉を仕事としている者としては特に目新しいことはないのですが、概念として明確化されたり整理されている点では勉強になりました。
もっとも、その点よりは、特に元裁判官や企業側弁護士執筆部分について、そういう人々の見方・考え方や事例部分が一番興味をそそられましたけどね。
ただ、2005年初版・2007年第2版の本にしては、日弁連の懲戒件数の表が1999年までだったり(149頁)、労働審判法が「2006年5月までの間に施行される」(242頁)なんて記載が残っているのはお粗末。書き下ろしの少なさと合わせて、もう少し本作りに手をかけて欲しいと、読者としては感じます。
太田勝造、草野芳郎編著 白桃書房 2007年9月26日発行 (初版は2005年)