伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

星のひと

2008-06-02 00:18:42 | 小説
 望まれずに生まれたが素直な好青年に育った中学3年生槙野草太と勤勉で優しい父親草一郎とその周囲の人物のドラマを綴った短編連作。
 終わってみるとそういうまとめ方になりそうですが、初めの1編は不器用で意地っ張りな女子中学生がクラスの人気者の草太に告られるという、少女漫画の王道を行くパターン。2編目からちょっと肌合いが違って、きまじめで人の苦労を次々と自分で背負い込み過労死しかけの父親草一郎が家庭に帰れずわがままな妻に離婚を言い渡されるのを見守る草太というように草一郎・草太親子のまわりのちょっと変わった、ちょい悪の人物を絡ませて話を進行させるというパターンになっていきます。
 語り手を変え、登場人物を追加して話をふくらませるというありがちな手法と言えるでしょう。でも、読み通すと、草太と草一郎親子には、何かホッとするというか、幸せになって欲しいなぁと感じさせます。


水森サトリ 集英社 2008年4月30日発行
コメント
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