マクドナルド裁判で最近話題の「名ばかり管理職」を始め管理職の肩書きの付いた労働者が抱える問題についてレポートした本。
マクドナルド裁判の反響で様々なところで名ばかり管理職が立ち上がる動きが出ているときでタイムリーな出版です。しかし、管理職の肩書きを与えることで残業代を払わない名ばかり管理職問題は最初の方だけです。その次の管理職、特にヘッドハンティングというか中途入社の管理職の解雇問題は、裁判的にもなかなか微妙なところもあり、これも偽装管理職問題として捉えるのはいい視点だと思います。でもその後は、偽装管理職の問題というよりも一般的なパワハラや退職勧奨の話で、管理職ユニオンの組合員のケースだから漫然と並べられているという印象を持ちました。その意味でちょっと後半焦点がぼける感じです。
それから、せっかくなら「監修」なんて言ってライターに任さないで管理職ユニオンが自ら書いて欲しかったと思います。例えば「労働審判」という言葉が使われている場面(64頁、206頁)はどちらも労働委員会といっていますから、労働審判ではなく不当労働行為の救済申立か個別的労使紛争あっせん(東京都労働委員会はやってませんけど)のはず(労働審判は裁判所に申し立てます)。ライターの理解の程度に問題があるように感じました。
東京管理職ユニオン監修 ポプラ社 2008年4月20日発行
マクドナルド裁判の反響で様々なところで名ばかり管理職が立ち上がる動きが出ているときでタイムリーな出版です。しかし、管理職の肩書きを与えることで残業代を払わない名ばかり管理職問題は最初の方だけです。その次の管理職、特にヘッドハンティングというか中途入社の管理職の解雇問題は、裁判的にもなかなか微妙なところもあり、これも偽装管理職問題として捉えるのはいい視点だと思います。でもその後は、偽装管理職の問題というよりも一般的なパワハラや退職勧奨の話で、管理職ユニオンの組合員のケースだから漫然と並べられているという印象を持ちました。その意味でちょっと後半焦点がぼける感じです。
それから、せっかくなら「監修」なんて言ってライターに任さないで管理職ユニオンが自ら書いて欲しかったと思います。例えば「労働審判」という言葉が使われている場面(64頁、206頁)はどちらも労働委員会といっていますから、労働審判ではなく不当労働行為の救済申立か個別的労使紛争あっせん(東京都労働委員会はやってませんけど)のはず(労働審判は裁判所に申し立てます)。ライターの理解の程度に問題があるように感じました。
東京管理職ユニオン監修 ポプラ社 2008年4月20日発行