ゴムの性質や製造法、最近開発された各種のハイテクゴムなどについて解説した本。
天然ゴムは炭素と水素の化合物イソプレン(C5H8)が多数鎖状に結合してできた高分子化合物が曲がりくねったランダムコイル状になっていて、その多数のランダムコイルが絡まった状態のものだそうです。で、常温の伸び縮みできるゴムは「液体」だからランダムコイルが運動できて伸び、力がかからなくなると落ち着きのいいランダムコイル状に戻るので縮むのだそうです。液体でも高分子が絡まった状態なので流れないのだそうです。理屈はわかるんですが、感覚的にはなじめない話です。
力がかかることで高分子の絡みがほどけていくことになり、次第に伸びきった状態になるのを、硫黄等を加えて加工することで高分子を結びつけて強度を高めたりしているそうです。自動車のタイヤは路面へのグリップ力を上げブレーキの効きをよくすると熱に変換される割合が増えて走行に使われるエネルギーが減るので燃費が悪くなるという問題を抱えているけれど、最近では滑り時の振動数の高さを利用してブレーキ性能を落とさずに転がり抵抗を下げる研究が進んでいるそうです(87~92頁)。汎用品と思えるタイヤもけっこうハイテクの産物なんですね。
様々な現象の理由部分の説明が、十分納得できるところまでは行っていない感じはしますが、身近な材料のゴムについていろいろと勉強になりました。
伊藤眞義 オーム社(東京理科大学・坊ちゃん選書) 2007年9月25日発行
天然ゴムは炭素と水素の化合物イソプレン(C5H8)が多数鎖状に結合してできた高分子化合物が曲がりくねったランダムコイル状になっていて、その多数のランダムコイルが絡まった状態のものだそうです。で、常温の伸び縮みできるゴムは「液体」だからランダムコイルが運動できて伸び、力がかからなくなると落ち着きのいいランダムコイル状に戻るので縮むのだそうです。液体でも高分子が絡まった状態なので流れないのだそうです。理屈はわかるんですが、感覚的にはなじめない話です。
力がかかることで高分子の絡みがほどけていくことになり、次第に伸びきった状態になるのを、硫黄等を加えて加工することで高分子を結びつけて強度を高めたりしているそうです。自動車のタイヤは路面へのグリップ力を上げブレーキの効きをよくすると熱に変換される割合が増えて走行に使われるエネルギーが減るので燃費が悪くなるという問題を抱えているけれど、最近では滑り時の振動数の高さを利用してブレーキ性能を落とさずに転がり抵抗を下げる研究が進んでいるそうです(87~92頁)。汎用品と思えるタイヤもけっこうハイテクの産物なんですね。
様々な現象の理由部分の説明が、十分納得できるところまでは行っていない感じはしますが、身近な材料のゴムについていろいろと勉強になりました。
伊藤眞義 オーム社(東京理科大学・坊ちゃん選書) 2007年9月25日発行