カルガリーオリンピック(1988年)から平昌オリンピック(2018年)までの日本代表選手のインタビューや当時の状況などを記した本。
「日本フィギュアスケートの軌跡」という表題から、当然、過去に遡って調査取材した、日本のフィギュアスケートの歴史、選手の人物像や代表選考のドラマなどがそこそこ網羅的に書かれているものと思って読んだのですが、最後の平昌オリンピック(そもそもまだ来年だし)と羽生結弦についての書き下ろし以外は、すべて、著者が「Number」(文芸春秋社のスポーツ雑誌)と一部「文藝春秋」本誌に書いた、オリンピック直前と一部オリンピック直後の原稿を再掲しただけの、安直な出版。オリンピック直前の選手の状況と当時の発言については、それなりには興味を持てますが、オリンピック前後以外は対象になっておらず、その間の選手の様子が全く空白で、到底「日本フィギュアスケートの軌跡」など読み取れません。「ライター宇都宮直子の軌跡」と題すべき本だと思います。
宇都宮直子 中央公論新社 2017年2月10日発行
「日本フィギュアスケートの軌跡」という表題から、当然、過去に遡って調査取材した、日本のフィギュアスケートの歴史、選手の人物像や代表選考のドラマなどがそこそこ網羅的に書かれているものと思って読んだのですが、最後の平昌オリンピック(そもそもまだ来年だし)と羽生結弦についての書き下ろし以外は、すべて、著者が「Number」(文芸春秋社のスポーツ雑誌)と一部「文藝春秋」本誌に書いた、オリンピック直前と一部オリンピック直後の原稿を再掲しただけの、安直な出版。オリンピック直前の選手の状況と当時の発言については、それなりには興味を持てますが、オリンピック前後以外は対象になっておらず、その間の選手の様子が全く空白で、到底「日本フィギュアスケートの軌跡」など読み取れません。「ライター宇都宮直子の軌跡」と題すべき本だと思います。
宇都宮直子 中央公論新社 2017年2月10日発行