横浜の産院で国吉喜和子と名乗る妊婦に産み捨てられて乳児院で育ち、建具職人田川菊男と運送会社でパート勤めの田川千代夫婦の養女となり、養父の酒乱・暴力に苛まれて高校卒業後デザイン専門学校に行き建築の仕事をこなしながら、中学以降無数の男たちと肉体関係を続け、7つ年上の施工業者水沢耕一に求められるままに結婚して娘れいを産んだ水沢那智と、愛知県豊田市内の寺の住職の娘だが寺を嫌ってホステスを続け次々と男を替えていく池田喜和子に産まれ、ヤクザの親分や寺に預けられながら育ち、物心ついたときから同性に恋心を抱き男性には性的関心を持てないフリーライターの池田理緒が、理緒の取材の過程で出会い、恋に落ちるという官能恋愛小説。
親の愛に恵まれない子ども時代を送ったということが背景事情となっているのだとは思いますが、那智にしても理緒にしても、とりわけ2人が出会ってからの感情、思い込みが強すぎて、引いてしまいます。恋愛小説、恋愛感情は、第三者から見れば理解できない、引いてしまうくらいでこそ、のめり込めるのでしょうけれども。恋愛小説というよりも官能小説と位置づけた方がいいほどに性的なシーンがふんだんに出てくるので、そういう系統の雑誌に連載した(毎号何か性的な描写が欲しいというニーズがあった)のかと思いましたが、書き下ろしらしい(ネット情報、裏付け確認してません)というので驚きました。

中山可穂 河出文庫 2022年11月20日発行(講談社文庫2002年、単行本2000年)
親の愛に恵まれない子ども時代を送ったということが背景事情となっているのだとは思いますが、那智にしても理緒にしても、とりわけ2人が出会ってからの感情、思い込みが強すぎて、引いてしまいます。恋愛小説、恋愛感情は、第三者から見れば理解できない、引いてしまうくらいでこそ、のめり込めるのでしょうけれども。恋愛小説というよりも官能小説と位置づけた方がいいほどに性的なシーンがふんだんに出てくるので、そういう系統の雑誌に連載した(毎号何か性的な描写が欲しいというニーズがあった)のかと思いましたが、書き下ろしらしい(ネット情報、裏付け確認してません)というので驚きました。

中山可穂 河出文庫 2022年11月20日発行(講談社文庫2002年、単行本2000年)