新型コロナワクチン接種後異変を生じて死亡する「副反応疑い死」について、事例と統計等からワクチン接種との因果関係を検討し、医師や行政、製薬会社の対応等を取材し論じた本。
副反応以前に、新型コロナワクチンの感染予防効果について、変異株の発生により、その効果は薄れ、なんと30~49歳、65~69歳では、未接種者の方が、2回目接種済・3回目接種済の者よりも10万人あたりの新規陽性者数が少なくなっているというのです(33ページ)。厚労省は、発症と重症化の予防には効果があると説明している(33~35ページ)ようですが、そうだとしても、感染が防げないなら他人にうつすリスクの低減にはならないわけで、ワクチン接種はあくまで自分が重症化しないためということになります。ワクチン接種を拒否する人を、他人のことを考えない我が儘な者のように言い立てるのは、少なくとも誤りということですね。
大学の法医学教室で解剖され解剖医が原死因を「ファイザー社製新型コロナワクチン接種」と判断して死体検案書に記載した事例について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が因果関係について「情報不足等で評価できない」(γ判定)としたケースが紹介されています(54~67ページ)。PMDAがワクチン接種との因果関係を否定できない(α判定)とした死亡例は2022年10月末現在1例もなく、99%以上がγ判定、残りは因果関係を否定したβ判定なのだそうです(71ページ)。そのPMDAの収入の82%以上が製薬会社からの収入だとか(86ページ)。できすぎで笑えますね。
新型コロナワクチンの有効性や、接種後の死亡者の厳密な意味での死因の科学的検証については、判断しかねますが、それをおいても、行政が自己の政策・方針の妨げとなったり責任追及されかねない都合の悪い情報は無視し隠蔽するという体質、それに企業の利害が絡むときのわが国の実情の救いがたさは実感できます。
山岡淳一郎 ちくま新書 2022年12月10日発行
副反応以前に、新型コロナワクチンの感染予防効果について、変異株の発生により、その効果は薄れ、なんと30~49歳、65~69歳では、未接種者の方が、2回目接種済・3回目接種済の者よりも10万人あたりの新規陽性者数が少なくなっているというのです(33ページ)。厚労省は、発症と重症化の予防には効果があると説明している(33~35ページ)ようですが、そうだとしても、感染が防げないなら他人にうつすリスクの低減にはならないわけで、ワクチン接種はあくまで自分が重症化しないためということになります。ワクチン接種を拒否する人を、他人のことを考えない我が儘な者のように言い立てるのは、少なくとも誤りということですね。
大学の法医学教室で解剖され解剖医が原死因を「ファイザー社製新型コロナワクチン接種」と判断して死体検案書に記載した事例について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が因果関係について「情報不足等で評価できない」(γ判定)としたケースが紹介されています(54~67ページ)。PMDAがワクチン接種との因果関係を否定できない(α判定)とした死亡例は2022年10月末現在1例もなく、99%以上がγ判定、残りは因果関係を否定したβ判定なのだそうです(71ページ)。そのPMDAの収入の82%以上が製薬会社からの収入だとか(86ページ)。できすぎで笑えますね。
新型コロナワクチンの有効性や、接種後の死亡者の厳密な意味での死因の科学的検証については、判断しかねますが、それをおいても、行政が自己の政策・方針の妨げとなったり責任追及されかねない都合の悪い情報は無視し隠蔽するという体質、それに企業の利害が絡むときのわが国の実情の救いがたさは実感できます。
山岡淳一郎 ちくま新書 2022年12月10日発行