元国立民族学博物館長の佐々木高明氏が亡くなったとのニュースが流れた。
私は1960年代の中ごろ、高校生になりたてのころ当時通っていた高校の国語の先生に「照葉樹林文化」の中公新書を教えてもらい読んだ記憶がある。
今となってはどのように理解したのかはなはだ心もとないのだが、それでも大学に時代を通して上山春平・中尾佐助・佐々木高明の名前は記憶していた。就職したての頃、「続照葉樹林文化」(中公新書)を購入した記憶がある。しかし結局は読まなかった記憶がある。はっきり云って決して良い読者ではなかった。
それでも日本の古代史の本を何の脈絡もなく、系統だてもしないでむやみに読んでいた。そしてたまたま集英社版の「日本史誕生」の第一巻を手にした時、国立民族学博物館副館長という肩書きを目にした。
縄文時代の記述にとても新鮮な感じを受けた。そして縄文時代の栽培農耕について説得力のある記述に触れて、ずいぶんと歴史の認識も変わったんだなと感じた。
その後、アイヌ新法の動きが加速される中で、ニュースに佐々木高明氏が度々登場されて、「日本は単一民族国家ではない」と力説をされているのを見て、私はとてもワクワクした。1997年「アイヌ文化振興法」が成立し第1条に「この法律は、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化が置かれている状況にかんがみ、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策を推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的とする。」と記載されることとなった。
ところが、本来は全国で効力を持つ法律であるが、当時、衆議院議員石原慎太郎が強硬に反対し、実質的に北海道以外では効力を持たないような法律に変えられてしまった。この様な人が都知事をやってり国会議員に返り咲き、党の代表に就任するなど私には極めて残念な事態である。
しかし佐々木高明氏はアイヌ文化振興・研究推進機構の理事長としてこの法律の施行について精力的に活動されたのを私は記憶している。自分のしてきたこと、発言してきたことにキチンと責任を取った活動をされているのだなあと感心した。
そして3年ほど前に、「東洋経済」という経済史に氏のインタビュー記事が出ていると友人が教えてくれてコピーをもらった。経済誌にどうして登場したのかわからなかったが、その記事のコピーを読んで引き込まれたことを覚えている。こんなにわかりやすく解説される話し振りに驚いたのを良く覚えている。
「日本の文化は単一ではない」「地域主権」「日清戦争以降につくられたナショナル・アイデンティティ」「ひとつの価値観で社会や文化が動かされるのは危険」‥どれもが生きた言葉として語られている。
私は佐々木高明氏ほどの学識も経験も無いのだが、少なくとも自身の体験を重みのある言葉として紡いで行きたい。
本日の訃報が掲載されたヤフーの画面にこのインタビューがアップされていたので、懐かしくてあわててコピーをして、画像に変換した。
私はけっしていい読者ではなかったが、氏の著作に影響を少なからず受けた者として、また唯物史観ばかりの私の周囲の状況に対抗するにはこのような新しい視点は大事だと、とても感激してきた者として、大切にこのインタビュー記事を私のブログにアップしておこうと思う。同時に昔の「照葉樹林文化」の提唱の発端となった2冊の中公文庫なども再度目を通したいと思った。
私は1960年代の中ごろ、高校生になりたてのころ当時通っていた高校の国語の先生に「照葉樹林文化」の中公新書を教えてもらい読んだ記憶がある。
今となってはどのように理解したのかはなはだ心もとないのだが、それでも大学に時代を通して上山春平・中尾佐助・佐々木高明の名前は記憶していた。就職したての頃、「続照葉樹林文化」(中公新書)を購入した記憶がある。しかし結局は読まなかった記憶がある。はっきり云って決して良い読者ではなかった。
それでも日本の古代史の本を何の脈絡もなく、系統だてもしないでむやみに読んでいた。そしてたまたま集英社版の「日本史誕生」の第一巻を手にした時、国立民族学博物館副館長という肩書きを目にした。
縄文時代の記述にとても新鮮な感じを受けた。そして縄文時代の栽培農耕について説得力のある記述に触れて、ずいぶんと歴史の認識も変わったんだなと感じた。
その後、アイヌ新法の動きが加速される中で、ニュースに佐々木高明氏が度々登場されて、「日本は単一民族国家ではない」と力説をされているのを見て、私はとてもワクワクした。1997年「アイヌ文化振興法」が成立し第1条に「この法律は、アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化が置かれている状況にかんがみ、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策を推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的とする。」と記載されることとなった。
ところが、本来は全国で効力を持つ法律であるが、当時、衆議院議員石原慎太郎が強硬に反対し、実質的に北海道以外では効力を持たないような法律に変えられてしまった。この様な人が都知事をやってり国会議員に返り咲き、党の代表に就任するなど私には極めて残念な事態である。
しかし佐々木高明氏はアイヌ文化振興・研究推進機構の理事長としてこの法律の施行について精力的に活動されたのを私は記憶している。自分のしてきたこと、発言してきたことにキチンと責任を取った活動をされているのだなあと感心した。
そして3年ほど前に、「東洋経済」という経済史に氏のインタビュー記事が出ていると友人が教えてくれてコピーをもらった。経済誌にどうして登場したのかわからなかったが、その記事のコピーを読んで引き込まれたことを覚えている。こんなにわかりやすく解説される話し振りに驚いたのを良く覚えている。
「日本の文化は単一ではない」「地域主権」「日清戦争以降につくられたナショナル・アイデンティティ」「ひとつの価値観で社会や文化が動かされるのは危険」‥どれもが生きた言葉として語られている。
私は佐々木高明氏ほどの学識も経験も無いのだが、少なくとも自身の体験を重みのある言葉として紡いで行きたい。
本日の訃報が掲載されたヤフーの画面にこのインタビューがアップされていたので、懐かしくてあわててコピーをして、画像に変換した。



私はけっしていい読者ではなかったが、氏の著作に影響を少なからず受けた者として、また唯物史観ばかりの私の周囲の状況に対抗するにはこのような新しい視点は大事だと、とても感激してきた者として、大切にこのインタビュー記事を私のブログにアップしておこうと思う。同時に昔の「照葉樹林文化」の提唱の発端となった2冊の中公文庫なども再度目を通したいと思った。