お昼過ぎに家を出て、浦賀駅へ。13時50分過ぎに浦賀駅の傍のコンビニでおにぎりを1個の昼食を済ませてから、ペリー来航以降の歴史の表舞台に出てきた神社や寺院を巡りながら観音崎経由で横須賀美術館まで歩いた。美術館に着いたのが14時45分過ぎ。家を出るのが遅かった。もう少し早めに出るべきであった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5d/6a/e216a169cfc6be4e3bd770d6e0ef3a3b_s.jpg)
美術館についてみると建物の外に大勢の人が椅子に座って海を見ながら食事をしている。ずいぶん混雑していると心配しながら館内に入ってみるとここのレストランの外で海風に吹かれながら食事とビール・ワインを楽しむ人がほとんど。目当ての美術館の展示を楽しむ人はごく少数であった。まあ、このような場所がらではこのような美術館の楽しみ方があってもよいのだろう。明るい海の景色と広い敷地はとても解放的で気持ちがいい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/15/c9/f468a66b54d441a2bba4eb2e996594a7_s.jpg)
企画展だけでなく収蔵作品の展示も含めて900円を払って、まずは企画展から。
東松照明、森山大道、浜口タカシ、北井一夫などの私の知っている写真家の写真が並んでいる。森山大道の写真などに感銘を受けながら、次の部屋に入ると高橋亜彌子、若江漢字など私の知らない写真家のコーナーが続いた。
この中で、高橋亜彌子の横須賀出身のさまざまな分野の芸術家のポートレートが目を惹いた。特にピアノストの野島稔と作曲家の團伊久磨の肖像写真が面白かった。野島稔は1945年生まれで私より6歳年上で現在東京音楽大学学長になっている。私はたまたま1973年頃だったか帰省中に東京厚生年金会館で野島稔の演奏会を聞いたことがある。記憶ではNHK交響楽団だったと思うが、誰のピアノ協奏曲だったかトンと記憶にないのだが、そのエネルギッシュで若々しい演奏にとても興奮したことを覚えている。第3回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールに第2位優勝して間もない頃の若々しい演奏だったのだろう。演奏とは裏腹に演奏後の物静かな感じの挨拶にも好感がもてた。
ポートレートでは度のとても強い眼鏡をかけて、物静かで控えめにカメラの方を見ているのだが、ちょっと視線がカメラからずれている。極度の近視の所為なのかもしれないが、どこにあのエネルギーを秘めているのだろうかというように映っている。とても懐かしい顔に遭遇したように思った。
團伊久磨はカメラを見下ろすように、そしてトレードマークの煙草を手にして不遜な態度に映っている。撮影した高橋亜彌子は、團伊久磨の性格を人を見下すような視線で表したのかと思うほど、私の誤解かもしれないが、私の團伊久磨のイメージぴったりに撮影していると思った。團伊久磨のエッセイは大昔に2~3編読んだだけだが、私はあまりいい印象は持たなかった。
野島稔と團伊久磨、二人の音楽家に対するイメージがぴったりと一致したのがうれしかった。
石内都の「絶唱横須賀ストーリー(野比海岸)」は、風になびく葭原をざらついた画面で海を背景に大写し写しこんでいるのだが、これが私にはとても印象に残った。
また若江漢字の二枚一組の写真、大きさの違う玉を同じ大きさに見せながら背景の風景を大きくぼかした作品、「だから何なんだ」という思いもしつつもとても面白く鑑賞した。
横須賀という街の戦後の歴史を刻んだ写真作品、そして横須賀の今も捉えようとする写真作家たちの営為が展示されている。なかなか面白い企画であると感じた。図録は1400円、今回は遠慮した。
収蔵作品では、佐伯祐三「窓のある建物(パリ風景)」(1925年)、そしてビックリしたが、松本竣介「お濠端」(1940年)、藤田嗣治「ル・アーブルの港」(1917年)の3作品があり、とても興味深く鑑賞した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/36/32/253ac53b2ad9c8dd7c15c8fd2c1e03f9_s.jpg)
まず佐伯祐三の作品、売店ではカードは販売していなかったが、作品の傍にモノクロの写真と解説があった。1925年は佐伯祐三がユトリロの影響を受けてサロン・ドートンヌで入選するなど帰国直前で充実していた頃の作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/43/5d/ea8ab5a82a52a6e9529c8184cfcd99bf_s.jpg)
松本俊介の作品1940年というから開戦前の重苦しい時代、時代はこぞって皇紀が喧伝され、強制された時期で2600年と書いたサインがある。青と緑という二つの色の色調で遠近を表した独特の画面。濃い緑色の三角形の樹木のかたまりがありどこか不安定なものもあるような不思議な絵だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/01/a1/ba249b9089bc655da00bc6f8ce2473ca_s.jpg)
藤田嗣治の絵は始めてみる色調の絵。1917年という年、第一次世界大戦で帰国しないことを選択し、トロン・ドートンヌに入選する直前の絵ということらしい。モノクロの画面なのでわかりづらいがあの藤田嗣治の白はない。ちょっと陰鬱な風景に人物三人が点景として目立たないように書き込まれている。画家の精神状態を表しているのだろうか。
この3点、いづれも説明書が作品の傍に置いてあった。主要な作品にはこのような解説がおいてあり、とても親切な展示だと感じた。ただし松本俊介の絵を除いた他の二つの作品は、カラーのカードがなかったのが残念であった。
説明にもあるとおり、この3人の画家の重要な時期の作品が収蔵されており、なかなかすごいことだと感じた。
その他の収蔵作品では、日本画家水谷愛子の老人の顔の作品などいくつか目を惹いたものもあるが、今回は記載を省略。
なかなかいい美術館であった。
美術館で思ったより時間がかかった。収蔵作品がなかなか見所があり、見るのにも予定外に時間がかかったためだ。16時30分に美術館を出て、大急ぎで横須賀中央駅ないし汐入駅をめざしたがちょっと無理であった。特に海岸沿いの護岸工事のあとの公園となっているところは風がとても強くて、幾度も立ち止まって風をやり過ごす有様。それでもジョギングしているたくましい人が何人もいた。明らかに70代後半の人もおり、そのたくましさに脱帽。
なお、今回初めて道路沿いの案内で知ったのだが、この16号線の終点近く、走水の近辺は、奈良時代の頃の古東海道と比定されているらしい。
私は目標の手前、堀の内駅でウォーキングは終了。駅前の立ち飲みの焼き鳥屋に入ったのが17時過ぎ。ホッピーの焼酎をお変わりしてシシトウ、ネギ各2本。1500円未満で終わりにして電車に乗った。横浜についてみると路面が濡れていてビックリ。雷もなったとのこと。電車に乗っていたためか気付かなかった。家まで歩いて総計27000歩で本日のウォーキングは終了。
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美術館についてみると建物の外に大勢の人が椅子に座って海を見ながら食事をしている。ずいぶん混雑していると心配しながら館内に入ってみるとここのレストランの外で海風に吹かれながら食事とビール・ワインを楽しむ人がほとんど。目当ての美術館の展示を楽しむ人はごく少数であった。まあ、このような場所がらではこのような美術館の楽しみ方があってもよいのだろう。明るい海の景色と広い敷地はとても解放的で気持ちがいい。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/15/c9/f468a66b54d441a2bba4eb2e996594a7_s.jpg)
企画展だけでなく収蔵作品の展示も含めて900円を払って、まずは企画展から。
東松照明、森山大道、浜口タカシ、北井一夫などの私の知っている写真家の写真が並んでいる。森山大道の写真などに感銘を受けながら、次の部屋に入ると高橋亜彌子、若江漢字など私の知らない写真家のコーナーが続いた。
この中で、高橋亜彌子の横須賀出身のさまざまな分野の芸術家のポートレートが目を惹いた。特にピアノストの野島稔と作曲家の團伊久磨の肖像写真が面白かった。野島稔は1945年生まれで私より6歳年上で現在東京音楽大学学長になっている。私はたまたま1973年頃だったか帰省中に東京厚生年金会館で野島稔の演奏会を聞いたことがある。記憶ではNHK交響楽団だったと思うが、誰のピアノ協奏曲だったかトンと記憶にないのだが、そのエネルギッシュで若々しい演奏にとても興奮したことを覚えている。第3回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールに第2位優勝して間もない頃の若々しい演奏だったのだろう。演奏とは裏腹に演奏後の物静かな感じの挨拶にも好感がもてた。
ポートレートでは度のとても強い眼鏡をかけて、物静かで控えめにカメラの方を見ているのだが、ちょっと視線がカメラからずれている。極度の近視の所為なのかもしれないが、どこにあのエネルギーを秘めているのだろうかというように映っている。とても懐かしい顔に遭遇したように思った。
團伊久磨はカメラを見下ろすように、そしてトレードマークの煙草を手にして不遜な態度に映っている。撮影した高橋亜彌子は、團伊久磨の性格を人を見下すような視線で表したのかと思うほど、私の誤解かもしれないが、私の團伊久磨のイメージぴったりに撮影していると思った。團伊久磨のエッセイは大昔に2~3編読んだだけだが、私はあまりいい印象は持たなかった。
野島稔と團伊久磨、二人の音楽家に対するイメージがぴったりと一致したのがうれしかった。
石内都の「絶唱横須賀ストーリー(野比海岸)」は、風になびく葭原をざらついた画面で海を背景に大写し写しこんでいるのだが、これが私にはとても印象に残った。
また若江漢字の二枚一組の写真、大きさの違う玉を同じ大きさに見せながら背景の風景を大きくぼかした作品、「だから何なんだ」という思いもしつつもとても面白く鑑賞した。
横須賀という街の戦後の歴史を刻んだ写真作品、そして横須賀の今も捉えようとする写真作家たちの営為が展示されている。なかなか面白い企画であると感じた。図録は1400円、今回は遠慮した。
収蔵作品では、佐伯祐三「窓のある建物(パリ風景)」(1925年)、そしてビックリしたが、松本竣介「お濠端」(1940年)、藤田嗣治「ル・アーブルの港」(1917年)の3作品があり、とても興味深く鑑賞した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/36/32/253ac53b2ad9c8dd7c15c8fd2c1e03f9_s.jpg)
まず佐伯祐三の作品、売店ではカードは販売していなかったが、作品の傍にモノクロの写真と解説があった。1925年は佐伯祐三がユトリロの影響を受けてサロン・ドートンヌで入選するなど帰国直前で充実していた頃の作品。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/43/5d/ea8ab5a82a52a6e9529c8184cfcd99bf_s.jpg)
松本俊介の作品1940年というから開戦前の重苦しい時代、時代はこぞって皇紀が喧伝され、強制された時期で2600年と書いたサインがある。青と緑という二つの色の色調で遠近を表した独特の画面。濃い緑色の三角形の樹木のかたまりがありどこか不安定なものもあるような不思議な絵だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/01/a1/ba249b9089bc655da00bc6f8ce2473ca_s.jpg)
藤田嗣治の絵は始めてみる色調の絵。1917年という年、第一次世界大戦で帰国しないことを選択し、トロン・ドートンヌに入選する直前の絵ということらしい。モノクロの画面なのでわかりづらいがあの藤田嗣治の白はない。ちょっと陰鬱な風景に人物三人が点景として目立たないように書き込まれている。画家の精神状態を表しているのだろうか。
この3点、いづれも説明書が作品の傍に置いてあった。主要な作品にはこのような解説がおいてあり、とても親切な展示だと感じた。ただし松本俊介の絵を除いた他の二つの作品は、カラーのカードがなかったのが残念であった。
説明にもあるとおり、この3人の画家の重要な時期の作品が収蔵されており、なかなかすごいことだと感じた。
その他の収蔵作品では、日本画家水谷愛子の老人の顔の作品などいくつか目を惹いたものもあるが、今回は記載を省略。
なかなかいい美術館であった。
美術館で思ったより時間がかかった。収蔵作品がなかなか見所があり、見るのにも予定外に時間がかかったためだ。16時30分に美術館を出て、大急ぎで横須賀中央駅ないし汐入駅をめざしたがちょっと無理であった。特に海岸沿いの護岸工事のあとの公園となっているところは風がとても強くて、幾度も立ち止まって風をやり過ごす有様。それでもジョギングしているたくましい人が何人もいた。明らかに70代後半の人もおり、そのたくましさに脱帽。
なお、今回初めて道路沿いの案内で知ったのだが、この16号線の終点近く、走水の近辺は、奈良時代の頃の古東海道と比定されているらしい。
私は目標の手前、堀の内駅でウォーキングは終了。駅前の立ち飲みの焼き鳥屋に入ったのが17時過ぎ。ホッピーの焼酎をお変わりしてシシトウ、ネギ各2本。1500円未満で終わりにして電車に乗った。横浜についてみると路面が濡れていてビックリ。雷もなったとのこと。電車に乗っていたためか気付かなかった。家まで歩いて総計27000歩で本日のウォーキングは終了。