昨日に続いて「シベリウスバイオリン作品集2」を聴いている。「作品集1」におさめられている作品がいづれも50歳から53歳の頃の作品だが、この「作品集2」におさめられているものは57歳から64歳の頃の作曲をつづけた最後の頃の作品群に属するものだ。「作品集1」の古典的な雰囲気に較べてとても現代的な曲に感ずる。そしてとても内省的なおもむきである。シベリウスファンはきっとこの「作品集2」の方が好むのではないだろうか。
このうち「幸せな音楽家」はバイオリンの独奏曲。単独の曲なのだが、わずか2分で突如として終わる不思議な曲。
「5つの田園風舞曲」(作品106)、「4つの小品」(作品115)、「3つの小品」(作品116)がシベリウスの作品らしい旋律と和声が特徴。5つ、4つ、3つの曲が独立しているようで不思議に緊密な関係を持つひとつの構成体となっているように思う。
1957年の死までの最晩年の約30年間は作曲することなくフィンランドの自然の中の棲み家で、自然と対話しながら過ごした作家である。作品115と作品116は最後の作品ともいえるものであるらしい。作品115の第3曲「ロマンティックなロンド」は忘れられない曲になりそうだ。この二つの作品とピアノ曲の「5つのスケッチ」(作品114)とあわせて聞くと最晩年のシベリウスと対話が出来るのかもしれない。
なお、シベリウス自身のつけた最後の作品番号117は「バイオリンと弦楽オーケストラのための組曲」ということらしい。最後がバイオリンの曲であり、一連の作品がピアノ・バイオリンの曲であるのは作曲家の志向として興味深いものがある。シベリウスの本質がにじんでいるような気がする。
「愛の情景」(「スカラムーシュ」より、1925年)はシベリウス60歳の作品だが、この歳でこのように甘い愛の賛歌を書くとは、なかなか、すっかり隠遁に近い生活を送っている人の作品とは思えないつややかな曲である。
さて演奏家について再度。得てしてバイオリンが女性で、ピアノが男性の場合、ピアノの音が勝ってしまって肝腎のバイオリンの音色が小さく聴こえてしまい、バランスがとても難しい。しかしこの作品集の場合、いづれもバイオリンとピアノのバランスがとてもいい。とても好感のもてる演奏だと感じた。
このうち「幸せな音楽家」はバイオリンの独奏曲。単独の曲なのだが、わずか2分で突如として終わる不思議な曲。
「5つの田園風舞曲」(作品106)、「4つの小品」(作品115)、「3つの小品」(作品116)がシベリウスの作品らしい旋律と和声が特徴。5つ、4つ、3つの曲が独立しているようで不思議に緊密な関係を持つひとつの構成体となっているように思う。
1957年の死までの最晩年の約30年間は作曲することなくフィンランドの自然の中の棲み家で、自然と対話しながら過ごした作家である。作品115と作品116は最後の作品ともいえるものであるらしい。作品115の第3曲「ロマンティックなロンド」は忘れられない曲になりそうだ。この二つの作品とピアノ曲の「5つのスケッチ」(作品114)とあわせて聞くと最晩年のシベリウスと対話が出来るのかもしれない。
なお、シベリウス自身のつけた最後の作品番号117は「バイオリンと弦楽オーケストラのための組曲」ということらしい。最後がバイオリンの曲であり、一連の作品がピアノ・バイオリンの曲であるのは作曲家の志向として興味深いものがある。シベリウスの本質がにじんでいるような気がする。
「愛の情景」(「スカラムーシュ」より、1925年)はシベリウス60歳の作品だが、この歳でこのように甘い愛の賛歌を書くとは、なかなか、すっかり隠遁に近い生活を送っている人の作品とは思えないつややかな曲である。
さて演奏家について再度。得てしてバイオリンが女性で、ピアノが男性の場合、ピアノの音が勝ってしまって肝腎のバイオリンの音色が小さく聴こえてしまい、バランスがとても難しい。しかしこの作品集の場合、いづれもバイオリンとピアノのバランスがとてもいい。とても好感のもてる演奏だと感じた。





