Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

上野の桜

2014年03月01日 23時20分25秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 もの好きにも本日上野まで所用があったので、上野公園の桜を見てきた。すでにカンザクラが1本咲いていた。動物園前の1本であった。他のソメイヨシノは当然のようにまだまだ蕾は小さく、膨らんでいない。色も形も硬い感じである。しかし真冬の時に比べたらほんの少しだが赤らみ、形も丸くなっているように思われた。

   


 上野についた頃は雨は降っていなかった。靄のように先がかすんでいたがいたが、そんな情景も悪くないと思えた。
 所要というのは東京都美術館で開催されている「日本美術院再興100年特別展『世紀の日本画』」。本日から後期の展示が始まり、その内覧会。かなりの方が参加していた。15分ほどの解説の後、1時間半ほどかけてじっくりと見て回った。
 私は前期展示をつい先日見たばかりだったが、ほとんどが前期展示と入れ替わっており、なかなか見ごたえもある。また前期展示を見ておいてよかったとも思った。普段は日本画と言っても屏風絵はあまり見ることができない。展示スペースを大きく取られるので、それぞれの美術館が所蔵する数点を順繰りに展示するのがせいぜい。今回のように一堂に会する展示というのは、東京国立博物館などのごく限られた特別展などでないと経験できない。
 感想は明日以降に掲載予定。
 2時間後の19時20分過ぎに美術館を出て見ると、しっかりと雨が降っていた。昨日とはうって変わった寒さの中、上野駅で一人で食事をするときに必ずと言っていいほど訪れるお蕎麦屋さんに行った。ここは少々お酒の値が高いが、駅構内なのがうれしい。

【追記】訪問者数が60万を超えていました。多数の閲覧ありがとうございます。出来るだけ長く、私のつぶやきを続けたいと思っています。これからもよろしくお願いします。




人気ブログランキングへ

木の芽どき、木の芽雨

2014年03月01日 12時37分26秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 私は恥ずかしながら「木の芽どき」「木の芽雨」を「きのめどき」「きのめあめ」といっていた。ごく最近「このめどき」「このめあめ」であることを知った。樹木の新芽を指すときは「きのめ」でいいのだが、あるいは季節を表す言葉として、あるいは季語しては「このめ」らしい。また食物としての「木の芽和え」「木の芽田楽」は「きのめ」と呼ぶ方が正しいらしい。ここら辺は薀蓄を是非教えてほしいと思う。

 今の暦ならば、一般的に二月末から三月にかけてのころの暖かい日と風、その頃に降る柔らかい雨、木の新しい芽吹きを促すような感じが何とも言えず漂ってくる。

 この二つの季語、「木の芽」から派生した季語という扱いで歳時記には記載されているが、私には独立した響きを持つ季語に感じられる。実は今でも、「きのめ」の方が響きが明るくて好きである。「このめ」の方が「柔らかく丸い感じがしていいよ」と言われた。確かにそのとおりだとおもうが、晴れた日の透き通るような感じ、あるいは細かい雨の中に小さくとがった顔を出している新芽には「きのめ」の方が似つかわしい響きに思える。


夜の色に暮れゆく海や木の芽時 原石鼎
源泉に硫気ほのかや木の芽時 上田五千石
金堂の扉を叩く木の芽風 高浜虚子
隠岐や今木の芽をかこむ怒涛かな 加藤楸邨
芽木の雨牛乳こぼしつつ飲む子 細木綾子
木の芽風燈台白をはためかす 桂信子
杉谷のけふ明るくて木の芽和え 木津あき子



人気ブログランキングへ