Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

新年度の講座の申込み

2014年03月04日 22時22分18秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 本日は神奈川大学エクステンション講座のの来年度前期の受付開始日。今回は、無料の2つの講座を含めて、12講座を申し込んでみた。あと二つほど申し込みたい気もあるが、日程が重なるものが出てくることと、金銭的な制約で断念した。
 今季に比べて、現代の状況に関わるものの比率が少し増えた。美術の素養に関するものも加えてみた。

 これから手帳に日程を書き込んでみる。日程の重なりは1回だけのはずなのだが‥。これが結構疲れる作業である。
 この書き込みが終わってから手帳の余白を確かめながら、山行の日程などをいろいろと考えるのもまた楽しみである。

 本日の横浜地方、日差しはあったが風は冷たかった。南側の足場が解体され、日差しがことさらにまぶしく感じた。ベランダの塗装が新しくなり、今まで以上に明るく感じる。




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「世紀の日本画」展‥感想2

2014年03月04日 11時23分11秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
   
 前田青邨というと歴史画という思い込みばかりが先にあって、苦手である。しかしこのような絵があるのにビックリした。自分の不明を恥じるばかりだが‥。構図的には一見窮屈な感じがする。右双はぎっしりと白の芥子が書き込まれ、左双は蕾だけが印象的に並び、左端に辛うじて赤い花が下の方に二輪だけ顔をのぞかせている。解説によれば光琳の燕子花図屏風を念頭にあったらしい。しかし私は鈴木其一の朝顔図屏風を思い描いた。細かな描写は其一に近いと思うし、緑の色に共鳴した。
 どちらも余白にリズム感があるのだが、こちらは余白の面白さというよりも白い花と緑の蕾のリズム、そして赤のポイントの面白味で目を惹く。印象に残った。


 馬場不二という画家の「松」(1956年)という作品。この絵を完成した直後に亡くなったとのこと。実際の画面はもう少し暗いのだが、うまくそれがスキャナーで再現できていないのは申し訳ない。絵としてはとても不思議な感じがする。
 松原のスケッチをもとにした作品とのことだが、奥行き感が希薄で、また松が異様に込み合っている。枝の捩れも尋常ではない。枝の捩れに松の生命力の強さを感じる。松の葉は極端に様式化している。そしていわゆる腹切りのように横に幹が画面を上下二本に区切ってしまっている。構図のタブーに挑戦するような画面構成も不思議だ。

      
 こちらは橋本雅邦の「龍虎図屏風」。
 解説をしてくれた方は「今の言葉では劇画調ともいえる」とのこと。確かにそうだ。劇的誇張が鼻につくという人もいるかもしれない。
 奇抜・大仰な劇的表現から、思想性重視の天心的な世界からは逸脱かもしれない。そんな評価もあるようだ。この種の絵はこれ以降の展開からは外れていく。
 さてこの絵は、龍と虎に目が向いてしまうが、同時に両者の間合いがとても重要である。左の虎は左双の左側により、右の龍は右に寄っている。それぞれの間に稲妻が光っているが、この空間が両者の緊張関係を表している絶妙の空間である。稲妻の線がその緊張感を高めている。波と竹が竜虎の一瞬の静止に動きと力感を与えている。広い会場で目を凝らして見たい絵である。
 この図はカタログからスキャンしたのでページの切れ目が気になる。実は横長のハガキが販売されていたのだが、右双も左双も竜虎の間の稲妻をカットしたものになっていた。とんでもない切断であった。どのような意図なのか、どのような制約があったのかはわからないが、この空間がこの絵の命であるので、理解に苦しむ処置だと感じた。



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