Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

頭の柔軟性

2014年03月22日 23時08分13秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 喉の調子はまだ完全とは言えない。朝には若干だが痛みがあり、痰がつまっている。嗽をすればすぐに痛みも取れ、痰が楽に出る。しかしそののちは夜になるまで違和感はほとんどない。このままよくなることを願っている。

 昨日オーロラツアーの荷づくりをしているとき気づいたのだが、軽い方の三脚の雲台が破損していた。ほとんど使ったことがないものだったが、ネジの部分の受けが割れていて、カメラの固定が出来ない。
 昔、まだフィルムを使っていた頃に、確か2000円くらいで購入した安物であったが、安物である故か、もろいものであった。確か5回ほど使っただけであった。花のクローズアップ写真を撮った時に浸かったと思う。
 重い方はとても今回のツアーに持っていく気にはならない。嵩張るのでリュックに入らない。
 あわてて本日軽量のものを購入してきた。4000円ちょうどだったが、予定外の出費はストレスが溜まる。

 さて、横浜美術館の感想を作成するにあたって、15枚ほど続けてスキャナーを使用した。これまでのスキャナー用のソフトにようやく慣れてきたので、スムーズに利用できるようになった。
 しかし単体のスキャナーよりは使いやすいようなソフトになっているのかもしれないが、出来上がった画像を操作して好みの大きさにするよりは、私はスキャナーの設定段階で好みの大きさにしたい人間には向いていない。私の頭の方を変えなくてはいけないのだろう。この切り替えに頭がついていかない。困ったものである。自分の頭がもう少し柔軟であればうれしいのだが‥。
 画像ソフトの使い方もまたなかなか難しい。もともと苦手に近い。本当は誰かに初歩からキチンと習った方が良いと思っているのだが、踏ん切りがつかずにこのまま来た。そろそろそれではいけないのかもしれない。ハウツー本を読んでも理解できない。
 これもまた自分の頭の柔軟性の無いことにがっかりしている。

 何事も苦手意識が先に立つと、受け入れることが難しいということのようだ。




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「魅惑のニッポン木版画」(感想その1)

2014年03月22日 22時30分41秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
   

 横浜美術館で「魅惑のニッポン木版画」展を見てきた。
 14時から30分間、現代の若い木版作家で今回出品をしている湯浅克俊氏の作品解説があるということなので、13時過ぎから会場を見て回った。
 木版画というのは私は江戸の浮世絵などの世界にはじまり、川瀬巴水までの流れと、恩地孝四郎などの世界くらいしかしらない。
 現代の作家については自分が受け入れられるものがあるのか、という思いすらある。自分が直近の現代のものを理解できなくなっているのではないかという恐怖は、現代のどんな芸術作品に接するときでも常に抱く恐怖である。理解する、ないし好きである、気持ちとして受け入れられるというものが無くなったら、自分の生はもうおしまいではないかという強迫観念みたいなものである。

 恐る恐る横浜美術館の会場に入ってみた。最初の展示室は「第一章 幕末・明治-生活を彩る木版画」という題で、幕末から明治期の江戸時代の絵画の延長上にいちづけられる木版画の世界が展示されている。

   

 ここの展示では、まず私の目を惹いたのが小林清親の木版画。構図の取り方は広重などに比べると随分とおとなしいが、それでも文明開化・明治という時代をくぐり抜けたことは十分にうかがえる。私の好きな川瀬巴水という版画家も、小林清親の構図と色の使い方を随分と取り入れたのではないかと思わせる。
 月岡芳年と小林清親、まったく違う作風ながら文明開化の時代のひとびとの戸惑いとたくましさをそれぞれの作風の中で、代弁しているかのようだ。



 この菊の模様の千代紙の作者が河鍋暁斎と見てビックリしたが、時代の奔走なエネルギーを十分表していると思った。従来の絵画がどんどんとたくましく変容していく時代を感じさせはしないだろうか。

 「第2章 大正から昭和-木版画の復活」の部屋になると、まず西洋画から出発した画家たちの木版画が展示されている。



 長谷川潔を見たときには、晩年の緻密なモノクロームの銅版画の作品しか知らない私にはとても同じ長谷川潔とは信じられなかった。色彩のバランスも魅力的で、ひょっとしたらムンクの影響から出発したのかと感じた。同時にその抒情性が出発点から変わらずにいることに気付いた。
 恩地孝四郎の戦前の作品「ダイビング」は有名であるが、奇を衒ったもののように感じている。しかし単純な構図ながら色彩の大胆さ、美しさはやはり目を惹く。
 川瀬巴水のこの絵は何度見ても好きな絵である。構図も色彩も、醸し出される抒情も浮世絵の伝統の延長に位置づけられるのだろうが、何度見ても心がホッとするものを備えている。



 長谷川潔など西洋画から出発したような木版画の系列、川瀬巴水などの浮世絵の流れに位置づけられる系列、ともに私は惹かれる。同時に展示される今回の試み、なかなか面白いものを感じた。




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