昨日買い物から帰った時に、団地の中に植わっているユキヤナギに花がついているのに気付いた。団地の外の中学校の周囲にあるユキヤナギにも花がついていた。ユキヤナギは雪柳と書くが、小米花ともいう。
私はユキヤナギの花が好きである。サクラに先立って白い花をたわわにつけて風に揺れる様が気に入っている。花は実に小さい。そして中心部がほんの少しだけ黄色になっているのがいい。
ユキヤナギが満開になって春の明るい風に揺れる様もいいが、花がまばらな咲きはじめの頃もまた春の明るさを予見するようで好ましい。冷たい風の中でひとつふたつが柔らかな枝にしがみついて咲いているのは風情がある。サクラに先立って春の到来を清楚に教えてくれる。
時期的にも、そしていつも見る団地のサクラのすぐそばにあるので、私の頭の中ではユキヤナギとサクラはいつの間にか対になってしまった。他の地域のサクラを見るときもつい、ユキヤナギの花の名残や新しい葉の美しい柔らかい枝が無いか探すのが癖になってしまった。同時に咲いているのを見た記憶はないが、この時間的な差が面白くもある。
雪やなぎ苑をしろくし人死せり 山口誓子
雪柳ふぶくごとくに今や咳く 石田波郷
朝より夕べが白し雪柳 五十嵐播水
雪柳風を溜めつつ風を生む 庄司猛
雪やなぎ母に孤独の刻多し 田中灯京
我孫子駅過ぎ人の荷の雪柳 和知喜八
どれも残念ながら満開の時のユキヤナギの様のようだ。私に力量があれば咲きはじめのユキヤナギを詠んでみたい。
さて今年のサクラの開花はいつになるのだろうか。天気予報でも例年と違って話題にもまだなっていない。ネットで検索してみたら、気象協会の予想が出ていた。
いわく「関東や甲信地方では、晩秋は平年並みの冷え込みとなり、その後2月の低温が影響してつぼみの生長は遅れていると考えられます。3月も低温が続くため、桜の開花日は平年より遅い所が多いでしょう。4月から5月の気温は平年並みですが一時的な寒の戻りが予想されます。東北や北海道の桜の開花日は概ね平年並みですが平年より遅い所もある」とのことであった。
横浜近辺のサクラの開花は、4月に入ってからのようである。
花の表記、ユキヤナギ・サクラともにカタカナに統一してみた。普段から花の名はカタカナの方がいいように思うときが多い。気分にもよるが。
不思議だがユキヤナギはカタカナでも特に違和感はない。俳句ではカタカナは避けているようだ‥。サクラについては桜という字の形も捨てがたい。私は花に着目しているときは文章ではサクラ、樹木全体をイメージしている文章では桜と書きたい。何となくそんな分け方が自分にはあっている。しかしこれも気分次第だ。
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