Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

いやな気分

2014年04月10日 22時21分40秒 | 読書
 先日岩波書店の「図書」4月号から高村薫の文章を引用させてもらったが、この「図書」を廃棄する前にもう一度パラパラをめくってみた。普段読むこともない赤川次郎の連載がふと目に留まった。冒頭部分に「オリンピック」という言葉、ちょっと目を凝らすとそのオリンピックに否定的な文章が目に入ったからだ。ただし今回私が取り上げる文章はそれではない。

   

 そのページの下の方には「(日本の)マスコミの人権意識の低さは、かつて石原慎太郎知事の女性蔑視、同性愛者差別の発言への沈黙で際立っていた。特に「人権問題」に関する暴言に見て見ぬふりをしてきたことが、ヘイトスピーチやNHK会長らの発言となって、世界中の非難を浴びることになっているのだ。国会を無視した安倍首相の「独裁者気取り」は、欧米から見れば異様だろう。」「大学生の四割以上が「読書時間ゼロ」‥「反知性」ですらない、知への無関心。これこそ独裁者にとっては理想的な若者たちだろう。」と記されていた。
 なかなか的を得ている文章に見えた。とりあえずこの文章も掲載しておこうと思った。そしてこの文章は「アンネの日記」の毀損事件にも触れている。今の安倍首相に代表されるような政治状況が無関係とは言えない状況に触れている。
 そして末尾に「人が人を支配する。その快感こそが、世界で戦争が絶えない原因である。」これはかみしめたい言葉である。

 ただし表題の「知性が人を人間にする」というのはいかがなものか。これには私は異存がある。つぎのように言い換えたい。「考えようとする力が人を人間にする」と。確かに「知」への無関心、「知」の否定は忌むべきである。しかし人間が人間である本質は「誠実にものを考えようとする力」であると思う。知性とは、読書量でも学問でも学歴でもないという前提かもしれないが、単純に「知性が人を人間にする」と断定してしまっていいとは思えない。人間の価値を決めるのは断じて学歴や読書量や学問ではない。「誠実にものを考えようとする努力」これが人間の価値を決めるのである。「知性」とはそのような人間の本質ともいうべき努力を体系立てて普遍化しようとする志向でなければならない。

 私は、STAP細胞の一連の報道を見て「マスコミファシズム」ということばを思い浮かべた。出る杭をひたすら叩くことしか意識がいかず、あの論文を審査した理化学研究所の体質、あるいは若い学者を拙速に処分することを理化学研究所にはやし立てるマスコミ報道を見て、私はとても恐ろしい社会を見せつけられた気がしている。「誠実にものごとを考え」報道しようとする姿勢にはとても思えない。それこそ「知への無関心」のかたまりのような報道であったと思う。「誠実にものごとを考えよう」とすればあのような報道の在り方とは別の報道があったと思う。
そしていつのころからか「素早い対応」ばかりを追い求めることが「正しいこと」「求められること」とされるようになった。
「素早い」とは裏を返せば「拙速」「無責任」「将来展望抜き」「蜥蜴の尻尾切り」であることへの近道でもある。「誠実にものを考える」こととは正反対の思考のように私には思えるのだ。



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散る桜を見に‥

2014年04月10日 18時44分54秒 | 山行・旅行・散策
 昨日ウォーキングの途中で見た新横浜駅前の鶴見川沿いのサクラ。本日の暖かな陽気に誘われて、午前中から妻と二人で見学に行った。
 まずは自宅から地下鉄で二つ先の駅まで約3キロを歩きながら、周囲の団地や住宅地、市街化調整区域の畑・雑木林などの花木を楽しむことができた。ヤエザクラ・ハナミズキ・カイドウ・ヤマブキ・スオウ・ユキヤナギ・ボタン・ドウダンツツジ・シャクナゲなどさまざまに咲き誇っていた。雑木林の新緑も美しく目に映った。



 そののち地下鉄に乗り、新横浜駅で鶴見川沿いの公園を散策した。途中サラリーマン向けの路上販売のお弁当をひとつ購入してベンチで若いサラリーマン達に混じって昼食休憩。6対4で私の方が余分に食べたが、一人ひとつの弁当はとても食べきれそうもない。のんびりと多分今年最後のソメイヨシノの落花の中でくつろぐことができた。

 午後は所用があって日吉へ出かけたが、今咲いているサクラはなかった。ヤエザクラが咲き始めたばかりであった。
 夕刻になって風が出てきたので週末にかけてほとんど散ってしまうに違いない。いよいよヤエザクラとツツジが咲き誇る時節になったようだ。

 昨日50円切手で投函してしまったハガキ、本日夕刻に差出人である私の家に戻ってきた。消費税の不足郵便は戻すことに決まっているのだろうか。宛名の方に迷惑をかけなくてホッとすると同時に、この律義さに何となく不思議な気分になった。




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