Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

読了「ベートーヴェン」(門馬直美)

2021年03月22日 22時28分14秒 | 読書

   

 本日読み終わったのは「ベートーヴェン 巨匠への道」(門馬直美、講談社学術文庫)。ベートーヴェンの年代を追った伝記ではないが、ベートーヴェンの生涯の事績をかなり詳しくまとめている。
 これまでベートーヴェンの生きた時代背景などについてはまとめて読んだことがなかったのでいい勉強になった。
 昨年は生誕250年ということであったが、COVID-19の世界的な感染拡大の余波で大きなイベントなどが軒並み中止となり、私はテレビでシンフォニーの連続演奏会を聴いて程度であった。
 もともとヴァイオリン協奏曲以外は私はあまり聴いていなかった。生誕250年ということを知人に教えてもらったり、ピアノ曲への着目も示唆してもらった。その結果、ビアノ協奏曲のほかに、ピアノソナタ、それも後期のものに注目するようになった。
 ゼルキンの演奏で、ビアノソナタ第30番、第31番、第32番をじっくりと幾度も聴いてすっかり気に入った。これからピアノソナタを聴く機会を増やしていきたい。
 日本における年末の「第九」現象について述べた最後の「エピローグ」に「日本人の音楽指向」という箇所がある。「日本人が短調を好むということの背景として、昔から日本人には、現実を直視するよりも、そこにロマンを求める傾向があった‥」云々は、いわゆる日本人論というもので、私はこのような一般化した「風土論」にはいつも首を傾げるものである。風土論というのは検証は難しい。
 ただし、「ベートーヴェンは、メッテルニヒの支配する、統制のきびしい、自由の乏しい政治には強い反感を抱いていた。政府側も、危険人物としてベートーヴェンに尾行をつけていた‥。もっとて大きな自由と平和をベートーヴェンは音楽で歌い上げた‥。晩年の《ミサ・ソレムニス》や《第九交響曲》がその典型である。敗戦を体験し、苦しい生活を強いられ、いままた戦争の危険にさらされている日本人には、これらの大曲は、それこそ代弁者である」は、1987年に書かれた著者の強い思いとして記録しておきたい。

 モーツアルトが音楽家の立ち位置を王侯貴族の庇護から大衆の支持を基盤とする市場原理に移行する過程での緊張感と苦悩の晩年を過ごしたという評価がある。ベートーヴェンの場合は、その緊張感と苦悩だけでなく、近代国家が生まれようとしている時期の国家と理念の相克による緊張感を、彼のち密な構成による緊張感から読み取るのも一概には的外れとは言えないのではないか。


北風が冷たかった

2021年03月22日 19時57分50秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 午後から眼科に行ったものの、混雑していたために受診は断念、明日もう一度行ってみることにした。春休みは眼科は混むようだ。内科と違って休みの間に視力検査・眼鏡の処方箋などの需要があるのかもしれない。
 外は北風が冷たく、薄い木綿地のコートでは風が通り抜けて寒さを感じた。先ほどは少し雨がパラついたもののすぐに止んだ。夜にかけて本降りになるらしい。

 眼科の建物を出てから近くのJRの駅まで歩いて喫茶店へ。人出はいつもとあまり変わっていなかった。30分ほどのコーヒータイムと読書タイム。

 明日は眼科の帰りには横浜駅に寄って有隣堂と家電量販店に寄ってみたい。

 山形県も緊急事態宣言とのこと。宮城県・山形県と感染の拡大局面、両県とも縁のある地なので心配である。


嵐も、緊急事態宣言も去ったが‥

2021年03月22日 11時22分31秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 明け方にはすべての注意報がいったん解除されたが、すぐに「強風・雷注意報」がふたたび出ている。昨日は湿った南風でもあり、台風が終日上空で居座っていたような天気であった。
 久しぶりに8時間たっぷり寝ることができた。0時半ころ入浴中に震度1の地震があった。眩暈かとおもったがすぐにおさまり、そのまま浴槽に浸かっていた。
 9時過ぎに起きた時には明るかった外の気配も、明るくなったり暗くなったりを繰り返している。昨日よりは湿気もなく、過ごしやすい。



 昨日に引き続きバッハの「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ全6曲」のCDをかけている。本日は後半の第4番から。
 バッハは無伴奏ヴァイオリンソナタ6曲でもこの6曲でも、実に多彩なイメージを網羅してくれる。内省的な気分、体を動かしたくなる曲、眠りを誘う曲、何かを組み立てるときの気分、下降する意識‥短い曲ごとにメリハリが効いている。深夜に一人でいろいろ悩みながら何かを練り上げたり、作り上げたりするときにぴったりである。少なくとも私の思考や体内リズムに共振する。
 ふとどうしてもバッハの曲が聴きたくなる時は、たいていはこの二つの曲集と、ヴァイオリン協奏曲3曲のいずれかを聴くことが多い。先日久しぶりに聴いたブランデンブルグ協奏曲も今度から候補に再び上げたいと思う。

 1都3県の緊急事態が解除になっても、宮城県は地震と感染拡大が続く。