Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「弥勒」(宮田登)

2023年08月27日 21時23分07秒 | 読書

   

 先日から「九相図」と並行して読んでいるのが「弥勒」(宮田登、講談社学術文庫)。1980年刊行のものを文庫化したもの。

 「はじめに」で、著者は「弥勒といえば、誰しも広隆寺や中宮寺の半跏思惟像の高雅な仏像を思い浮かべる。…ところが私自身の観点から言うと、弥勒といえば、近世山岳信仰の一つである富士講にみられた身禄行者のあり方であり、一方で鹿島踊りで歌われる弥勒唄の歌詞にこめられた弥勒の舟の存在であった。
 「弥勒信仰を、あくまで日本の伝統的な民俗としてとらえる。ミロクは民俗語彙の次元で採集される性格があるという考え方によった。…それは農耕要素を多分に含んだ日本型のミロクの存在を摘出したつもりである。…日本仏教史の展開の中で位置づけられる弥勒信仰を通して、民俗的ミロクの性格を考察したらどのような結果が得られるだろうか。」(はじめに)

 また第一章の結びでは「「弥勒の世」が農耕的な豊穣世界を表しているということは大きな特徴」と結んでいる。本日は第二章に入ったところまで読み進めた。とても刺激を受ける書物である。


忘れ物

2023年08月27日 19時47分29秒 | 日記風&ささやかな思索・批評

 昨晩は花火大会の鑑賞後、帰宅にあたり失敗をしてしまった。今朝になって娘から読みかけの「九相図」を忘れてきてしまったことを指摘された。慌ててバッグを調べたら確かにバッグには入っていなかった。花火が始まるまでの時間、それなりのページ数を読むことが出来ていた。
 ありがたいことにわざわざ横浜駅まで持ってきてくれるという。本日は指定の時間に間に合わないので後日に約束をした。ついでに妻が娘に借りている本を返すことにした。

 ということで本日は「九相図」の読書は断念。「弥勒」(宮田登)を読むことにした。しかし夕方喫茶店は混雑、辛うじて座った席で、30分ぐっすり寝てしまった。読書タイムはわずか15分ほど。
 帰宅後もシャワーを浴びてからそのままベッドで1時間ほど。はじめはリビングルームのテレビの音が聞こえていたが、いつのまにかそれが子守歌になった。
 昨日はそれほど疲れたとは思わなかった。たくさん歩いたわけでもなかった。久しぶりに混雑する電車に往復30分近く乗車しただけである。体力がずいぶんと低下したか、暑さで疲れが蓄積しているのか、どちらかである。いづれにしろこの暑さを乗り越える体力がなくなっていることには間違いがない。