午前中は久しぶりにテレビの番組を長時間見ることになった。
NHKのBS放送で「東京ロストワールド 秘島探検の全記録」が再放送された。2019年に前編だけみていたが、本日は前・後編両方を連続して放送。9時から10時50分まで。
番組の紹介は次のようになっていた。
小笠原・伊豆諸島の絶海の孤島をめぐる大冒険。科学者たちとNHKの調査隊が特別な許可を得て5年にわたって島々を調査した。噴火が続き拡大が止まらない「西之島」。生まれて3万年、生物進化がオンゴーイングで起きている「南硫黄島」。海から突然とそびえ立つ「そうふ岩」。これらの島を巡ると生物がいかに進化し、豊かな生態系を築いていくか、まるでタイムトラベルするかのように体感できる。かのダーウィンも憧れる世界!【語り】園部啓一,久保田祐佳
こういう番組を見ると、自分が理系を選択した学生時代にフィールドワークの領域に踏み込まなかったことを悔やむことがある。ただし方向転換して就職した職場は別の意味でフィールドワークであったのはとても幸いだったと思う。私にはデスクワークは似つかわしくないのであろう。体を動かし、何かが起きている場面に飛び込んで考える、ということが性に合ってい様だ。
別の考えもあるかもしれない。いくらデスクワークといわれる職業や学問領域であっても、必ず「現場」というのはあるとの意見も否定できない。「書斎の探偵」というのはあくまでも小説の世界の虚構でしかない。小説としては面白いかもしれないし、魅力は十分にあるけれど。
「現場」は自分で見つけるしかない。「現場」を見つけられなければ発展はない。自分の思考を検証したり、思考の発端を見つけたりするのが「現場」という定義もある。或いは外部の刺激を受ける場所といえばいいのだろうか。
「現場」とは人との対話であったり、データとの対話であったり、データが収集される観測器械を構築する場所であったり、観測機器を製作する場面であったりとさまざま。「現場」はそういった意味では無数にある。脳だけでは考察はできない。手足や口、五感を働かせることで「思い」は「思考」になり、「思想」になる可能性を持つのではないか。
なお、以上の文章とは無関係なのだが、この番組のナレーターの久保田祐佳アナウンサーの語りと声の質、落ち着いた口調と抑揚は以前から気に入っている。