立派に不倫の映画なのである。人間、やってはいけないことなのである。でもだからこそ燃え上がるのである。止められないのである。行き着くところまで行ってしまいたいのである。めらめら燃える官能のほとばしり。だがこの映画、60年前とはいえ、嘘っぽい。こんなに燃えている二人なのに接吻がやっと。二人別れるなら、食事などせずに1度でいいから交合すべきだろう。そうでないと燃え尽きることもかなわないではないか。それと . . . 本文を読む
話の本筋でありそうに見えた家族愛はいかにも簡単にキリスト教条主義の前に崩れ去る。このキリスト教への支配主義批判は痛烈で、しかも執拗だった。
それでも人を信じてゆくといったラストのほのかな柔らかさはこの映画の唯一の救い。イギリス映画は今や社会の底辺を描かせれば今や世界トップ級の実力。一人一人の気持ちがよく描かれている。最後まで一気に見せる演出力、演技、すばらしい映像に拍手。
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