文革後のひとびとの暮らし、営みを大河のようにじっくりと描く中国映画の真骨頂。スタイルとしては特に新しいわけではなく、どこか中国というより台湾映画のタッチを感じるセンスを持っている。茫々とした人生の流れ、よどみもあれば急流もある。そんな当たり前のごく普通の人々をカメラに収めている。
3人の子供をそれぞれパート別に描き、それぞれが輻輳していく演出方法は、散文的でそれぞれの心情が観客に沁み渡り的確だ。 . . . 本文を読む
小林政広のデビュー作。内容は暗い絶望を見ているだけの話なのだが、実に初々しいし若い。気恥ずかしいぐらい心情を吐露している。20代で作った映画ではないのは明らかなのにその青春している映像は甘いけれども後ろ髪惹かれる思いがする。
後年の作品に比べると随分登場人物も多彩で、青春時代によくある彷徨の心情を突然家族を失った中年の男に託してぶっつける。それはけれども甘酸っぱく優しい魂の叫びだ。彼がこれを作っ . . . 本文を読む