先週はメルヴィルの処女作を見た。そして今週は我が敬愛するロベール・ブレッソンの処女作だ。これはわが映画人生でもうれしいことである。
ブレッソンの今まで見た映画は7本。5点満点を平均すると4.7点になる。それほど僕のブレッソンへの評価はとても高い。
だいたいセリフは演技性がほとんどない。昔、大島渚が良くこの手法を用いていた。だから、セリフ棒読みの横尾忠則もすぐ大島の世界に入っていくことができた。 . . . 本文を読む
階段から足を踏み外し頭を打って一時記憶喪失。なんて、使い古された設定で現代女子高生(アメリカンスクールだからそうでもないか)の日常は動き始める。この映画は、何か小説というか、ブログをそのまま映像化したという感じもします。
映画としてこの作品を述べ始めると、他愛もない学園生活の叙述が続き、日本離れしているところなんか、どうもしっくりしないという人もいるかもしれませんが、僕は結構ブログ映画として見る . . . 本文を読む
『青い鳥』で並々ならぬ才能を見せた【中西健二】の2作目。前作が現代のイジメを通して凍れる心を、そして本作は時代劇へと確かな挑戦をしている気になる映画監督だ。
もう映画化では多作過ぎて流したくなる藤沢原作ものである。時代劇だから、まず時代考証、武家の身だしなみ、作法等々、現代では忘れかけている日本文化というものに真正面からぶつかっている。
障子の開け閉めの基本的な作法には少々僕でも驚く。右手左手 . . . 本文を読む
我が敬愛する【ブレッソン】の処女作。一番最初に見たのは『ジャンヌダルク裁判』で、30年以上も前の作品なのだが、今でも画面を覆う人間の苦悩と、そのモノクロなのに究極の映像美に酔ったことを思い出す。
そしてワクワクする処女作。修道院での女性二人の信仰心をじっくりと見つめている。【ブレッソン】にしては、ある程度ストーリーがあり、しかも俳優に演技をさせている。まずそれが面白い。映像も厳しいモノクロの研ぎ . . . 本文を読む