石持作品はずっと読んでいる。何気ない疑問には絶対何かしらの理由がある。そんな不思議なミステリーが多かったのだが、今回は倒叙ものでありしかも誘拐もの。
まったく通常の犯罪小説になりきっているので驚いてしまう。石持らしいところはその女子中学生の両親の死による異常な設定のみで、それが生かされていない。
誘拐が分かっているのに警察に連絡をしない大手新聞社の重鎮たち。苛苛しますね。あり得ない設定が続くと . . . 本文を読む
出張の多いサラリーマンだったら、結構経験の多いスマートなビジネス便利方法。前半はそんな見せぶりで、軽く受け止めていたら、だんだん分かってくるよ。そう、家族を持たない便利さをのたまっても、リストラ請負人という負いを脳裏から外しまくっても、それは結局は架空の蜃気楼にしか過ぎないってことを、、。
題名からは想像の出来る展開だけれど、ひとつ驚いたのは、女性が実際にその架空の世界を自分の生きる糧にしていた . . . 本文を読む
冒頭のレジスタンスの行動。秘密裏にバッグの奥深く詰められたものは武器ではなく、一編の小説であった。フランスらしく香しい導入部であり、また何とそれをクレジットタイトルにする極上のセンス。秀作の予感。
海とはフランス語でラ・メール、女性名詞の代表的な基本的な言葉です。すべては海、母親から生まれるといった意味があると聞いたことがあります。その意味ではこの題名は叔父と姪の内、特に姪の方に比重をかけたもの . . . 本文を読む