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美人図 (2008/韓国)(チョン・ユンス) 70点

2010-10-07 10:35:37 | 映画遍歴
こういう芸術ものは美術の香りが映像にあふれており、自然と演出・演技も本格なものとなっている。時間とお金を十分かけているのが分かり、映画作品としても上質の出来栄えである。

冒頭の兄の自殺が強烈で、主人公の人生を大いに左右する原点となろうと思ったが、作品ではそんなことあまりお構いなしに、娯楽作品へと突っ走っていったようだ。でもだいたい、女が絵師集団と昼夜問わず生活していて女と分からないはずがないと思うのだが、映画ではそんなことも無視し王朝を舞台に禁断の恋を再現させている。

でも、ある一人の女性が男女の性愛に絵として興味を持つこと自体が説得力が内容に思えた。また主人公が庶民の男と初めてセックスをするシーンでも、幾らなんでもと思われるほどの体位を展開したり、やはり娯楽作品に徹するあまりリアルからは程遠い展開を伴っている。

男だと思われていた絵師が実は女だったというのがこの映画の売りなのだが、それだったらもう少し説得力を持たせるべきではなかったか、と思うのである。むしろ『霜花店』のように男同士の愛とした方が現代的にも面白かったかもしれない。

と言いつつ、冒頭で述べたように絵画の描写も美しく、豪華絢爛の王朝絵巻物風の雰囲気が漂っているのでそれほどこの映画に不満はない。もう韓国映画、材料がそろそろ枯渇してきたのかもしれません。

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