見てみるととてもいい映画だ。黒澤の「生きる」の現代版ではあるが、なかなかいい。
何かを求めて生きてきた青年が、夢破れ、淡々と日常を過ごしている。こういう若者は現代に多いはず。そういう意味でも親近感はある。その彼が突然癌で余命3か月と告げられる。
もしそれが自分自身だったら、さて、みんな、どうする? という映画である。
宏はあまりわめくことも、苦悩することもなくただ時間が過ぎる。入院しているの . . . 本文を読む
どういうドラマなのかわからないまま見続けたが、後半からこの映画はかなり優れたミステリーだということに気付く。
そう、徐々に重ね合わせて作り上げていく秀逸ミステリーがそこにあった。ラストの、思いがけないどんでん返しのような結末も見事であった。
途中ずっとキモイなあと思いながら見ていた観客たる僕も完全にはめられていたのだ。
なんと彼こそは頭脳明晰、まったく病人でも何でもなかったのだ。母親を見殺し . . . 本文を読む