東京オリンピック前があんなに貧乏たらしかったのか、と今頃再確認した時代考証も、変にCGを多用していなかったのは立派だ。細かいところまで気が配っていて感心。
でも、演出が敢えてナチュラルにしようとしているのか、鋭さが見られないので、起伏に乏しく退屈でさえある。
そのため、自然とストーリーに負うところが多くなるのであるが、それほど主人公たちにのめりこめるほどの魅力は感じられないので、当時の青年たちのス . . . 本文を読む
恐れ入りました。主人公は最初はどこにでもいる悪童の、どうしようもないぎらぎらしている黒人青年なのである。良心の呵責もなく平然と金のために悪びれることなく千枚通しで電車内で一般人の胸を刺す男なのである。人が死のうが、家族がどう悲嘆にくれようが、お構いなしの悪たれ坊主なのである。
このシーンを見た後、これ以降この映画をどう見ればいいのかなあと正直悩んだ。こんな、浅い人間を見る余裕は僕にはないのだ。と . . . 本文を読む
本当に大事なものを喪失したときの人間の行動、心情、その動きをドキュメンタリー的にカメラはロングショットで追いかけてゆく。その面白さ。
でも、何かこういう映画、昔見たような記憶があるなあ。60年代って、こういう映画もあったよなあ。コンパクトな映画である。
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やはり男の映画だね。こんな、ぼろぼろの、無秩序の、計算の出来ない、ただ目の前の愛情だけは人以上にあると言う典型的な普通の男の、まさに本当の人間男を秀逸なカメラワークと、チェ・ミンシクとリュ・スンボムの突き抜けた演技で描く。
ラストの二人の対戦は涙で画面が揺れ、僕の視野からは見えなくなっていた。感動作。
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茫洋とした明るい日財を感じるラブコメだ。特に視点で新しいところはないが、農村で嫁を探す青年の心情が素敵で、つい画面に見入ってしまう。
演出的には中庸であるが、ウズベキスタンという国はあまりなじみがないので、題材は新鮮で、興味が持てる。昔の青春東宝作品というところだろうか。
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うむ、感覚的な粋な映画が現代に出現、といった感じ。小説的でいて、映画的でもある。まさに映像のラッシュ。解体された小説と映像のめくるめく世界。
内容はともかくうっとりと画面を見ているだけで映画的至福を感じられる稀有な映像作品です。
ちょっと過去の有名作品をなぞっている感じもあるけれど、映画ファンであることの共有性からそれは許しちゃいましょう。
こういう作品も世界中で埋もれているのかもしれませんね。珠 . . . 本文を読む
余裕のあるフランス映画といっていいのかどうか、夢遊症という映画ではどうにでもなり得る題材を用いているので、観客がだまされるのか、だまし切れるのか、結構真面目に見ていたが、最後でちょっと吹っ飛んじゃったね。
あれじゃ、少々いい加減すぎませんでしょうか、、、と言いたくなるような投げ出し方でした。ミステリーとしてもうちょっとインパクトがあるほうが面白かったけどな。
それと、映像がほとんどクリアでないので . . . 本文を読む
安易なドラマ作りだが、それでも話の入りは黄昏しみる人々との会話で、さもありなん、と思わせてそれなりに哀愁を感じるロッキーに感情移入できる。
だが、試合が決まってからは一気に単純なB級映画になり果ててしまい、この映画を作った意味が分からなくなってしまった。
だいたい息子が会社を辞めるのはいいが、そのまま父親の試合に付き合うというのは通常の父親であれば心配しちゃうのでは、と思ってしまうが、、。レジの女 . . . 本文を読む
思いもかけない緊密なドラマに目を見張る。特に前半の家族への悲劇は映像の迫力がそんじょそこらの映画とは違うところを見せている。
復習劇になってからはちょっとテンションも落ちるが、それでも通常のアクション劇の長所部分が際立ち、気がつくと僕もレクターになっている。その同化ぶりにはっと驚いてしまう。
でも、コン・リーの妖艶さもさすがだ。アジア人でも、西洋の一流の女性の雰囲気を持っている人なので、あでやかさ . . . 本文を読む
今回は定番といえる宝探しという魅惑的なミステリー。前作ほどの熱のようなものは感じなかったが、それでもセリフのちょっとした一言が楽しく、つい魅入られてしまう。ここがコナンの魅力なんだよな。
ラストのラストのおまけが効いていて素敵でした。加点しました。
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昔からよくある時代劇での偽者主人公もの。顔がそっくりな悪者が町で悪事を働き、主人公は全くの濡れ衣を着せられ、今までの評判が水の泡になるという、という話がよくありました。それに似た感じかな、本編は。
サンドマン、親友ハリーが単純にしか描かれていないので、深みがないのが少々残念。でも、肝心のブラックスパイダーはかなり奔放で面白かったです。
内容が本当に漫画っぽいというのが今回の特徴で、子供心を持ってい . . . 本文を読む
女王という絶対的権力者の一人の人間像を覗き見的な万華鏡を通して見る。
ダイアナという庶民的スターの存在は欧米と違い日本では分かりづらいが、その事件を通しバッシングを受ける人間女王の悩み、生きる力、愛そういうものを一人受け止めるヘレン・ミレンの演技。それに尽きる。
意外と、ドキュメンタリーもうまく映像に含めまとまった作品になっている。ひとつの人間劇にまで仕上がっている。
でも何を言っても少々がに股気 . . . 本文を読む
ざら目の画面に人間が生きてゆく不条理を象徴させている。何気ないひとつの行動が人間を現代の荒野の狼にさせていく。
3つの話はそれぞればらばらではなく関連性はあるのだが、みんな魂の彷徨を繰り返すのみ。
やはり3つの話では菊地凛子の突き詰めたまなざしが後々印象に強く残る。聾者というだけで、蔑み、まるで化け物を見ているかのような態度をとる日常人たち。人は差別、区別をすることのみで生きるすべを覚えている。
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