かなり好きな劇団うんなまの最新作です。前作は結構むずい感じでしたが秀作でした。この劇団はテーマによってコロコロ劇風が変わるので注意が必要だ。
今回は避難訓練の話。マジ、30年以内に遭遇するという南海トラフの話から始まり、両親は外国へ旅行するがテロにも遭遇する。地震対策として、水、電気、ガスなどどれが一番重要か、など問われる。
うんうんそうですね。と、感心して聞いていると、何だか繁澤氏の企みに引っかかっているような気もしてくる。登校拒否の女子高生が一応話のかじ取りを取っているが、彼女は特に変わった女子高生でもなく、そんじょそこららにいるごく普通の女の子である。
両親とも仲良く、なぜずっと家に居るのかも分からない。ひょっとしたら家に居る方が居心地がいいのか、、。そうならごくごくいい子である。彼女雀野ちゅんは冷凍うさぎにも出演してたよなあ、なんて考えていると突如劇は終わる。
と、今回はテーマがありそうで、そうでもなく、マジ、避難訓練を観客に考えてほしいわけでもなく、繁澤氏の意図するところははっきりとは分からないが、現代を、現代が直面する危機管理について何か言いたいのかは、何となくわかる。
登場人物から発せられる言葉から、いたく人生って、容易く、しかしあっけないものなんだという印象は受けたが、人間って、常に死と向き合っているんだね。
でも若い人の(これからの膨大な時間を考えるに)死に対する見方と、私のような年を重ねた人間から見た死とは実はかなり違うのである。死は卑近な対象ごとであり、想像力は要らない。
とか、こんなことを考えながら見ていた劇でしたが、繁澤氏の思う壺にハマってしまったのでしょうか、、。
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