労働力が足りなくて、労働の手助けをするとお金がいただける。
しかし、それが「体験学習」という名前に変わると代金を払わなければならない。
先日、M市発行の「グリーンツーリズム&エコツーリズム」
の資料に以下の体験価格が明記されていた。
突っ込みどころ満載で個人的にはたいへん興味深い。
なお、料金は一人当たりの体験価格である。
例えば、“田植え”を350人が体験した場合には\525,000かかるのである。
料金
田植え 1500
稲刈り 1500
畑作業 1500
林業体験 1500
そば打ち 800
干し柿皮むき(5個持ち帰り) 1500
カレー 1000
カヌー 5000
MTB 5000
漬物体験 800
農家ホームステイ 5500
飯盒炊爨 1300
どろんこ体験 1500
トレッキング 20000/1ガイド
ここにピックアップした体験アクティビティーは、
M市観光協会が用意したほんの一部である。
昭和生まれで、田舎育ちの私の感想としては
こんなことまで、体験する必要があるの?
お金かけてまで体験するの?という感じだ。
はたして「どろんこ遊び」は誰かに教えてもらうことなのだろうか?
「カレー作り」は、専門店のようにスパイスを調合することから始めるわけではないはず。
ルー入れるだけであるし、家庭科の授業でもやりそうだ。
いや、家でも作らないのだろうか?
「農家民宿」体験は6300円也。
一部屋5人で食事は自炊だそうだ。
率直に言って、“高い”。
1泊2日の「職業体験プログラム」では
“仲居さんから学ぶ所作”が用意されている。
旅館に泊まっての実習だ。
なお、プログラムにはこのような説明がある。
「体験では仲居さんのお手伝いをする事を主眼に挨拶の仕方や掃除の仕方、布団の上げ下ろしの方法などを学んでいき、最後にはお互いに配膳をおこない、もてなしの心と其の作法を学びましょう」
この体験やこの説明が滑稽に思えてしまうのは私だけだろうか。
お世話になっているJuwat先生は自然豊かな河口湖にお住まいだ。
長期の休みを利用してJuwat教授のお宅を訪問する院生は多い。
河口湖では、MTBをお借りしての河口湖一周タイムレース。
カヌーをお借りして河口湖で櫓を漕ぐ経験。
Kプロの指導による陶芸体験。
きっと薪割り手伝いを希望すれば、
斧で木を切ったり、
デンノコ体験もさせていただけそうだ。
若い院生の皆さんは
大金に値する貴重な体験をさせていただいているのですよ。
ところで
上記のような1時間単位で販売される体験プログラムは、
「グリーンツーリズム&エコツーリズム」なのだろうか。
長期休暇を田舎で過ごす余暇の過ごし方の中に、農業体験があってもいい。
学校教育の一環として日帰りや一泊旅行の慌ただしい中で、
ベルトコンベヤーに流されるような時間割の中での
体験学習はエコツーリズムには該当しないかもしれないと私は思ってしまう。
楽しくて勉強になったという声が聞かれても・・。
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