首都圏では中学校で部活動を頑張っていると高校進学時の内申点に加点してくれる高校があるそうです。
そのように進路面に極めて優位に働く「クラブ活動」への所属率は極めて高いものです。
この本によると
「スポーツ庁の調査によると、公立中学校の32.5%が、生徒全員を部活に強制的に加入」、pp.34。
また、運動部と文化部を合わせると、部活の加入率は約9割に達するそうです。
(スポーツ庁「平成30年度全国体力、運動習慣等調査報告書」
そもそも部活そのものは自主的な活動であり入部を強制されるものではありません。
しかしながら、私の勤務校の高校でも部活への加入率は7~8割と高率です。
時に保護者からクレームに私は対応します。
顧問の先生が、やる気がない。
顧問教諭がその道の専門家ではなく技術指導できないのは安全面から考えても問題であると。
実際に、
pp.45 「中学校も高校も運動部の先生は、半数がまったくの素人」という調査結果も出ていようです。
すべてのクラブにその道の専門家をつけるにはお金もかかり、
どこの学校も素人先生が技術指導以外の管理をしているのが実態です。
顧問としての居残りや、その後、翌日の授業準備(教材研究)によりなかなか帰宅できないのも共通の悩みです。
pp.48 「公立校教員における月平均の残業時間は、中学校で約81時間」だそうです。
平均値が過労死ラインを超えています。
「ブラック」な仕事と言われても仕方ないかもしれません。
社会的な評価が下がると、よい人が教員にならない、そうするとそれらの人に保護者からクレームが発生。
負のスパイラルはいたるところで発生しています。
教員の働きすぎと、過剰なるクラブ活動の是正を目的に、
スポーツ庁は2018年3月 「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定しました。
それは一週間に2日以上の休養日(平日に1日以上、土日に1日以上)を設けることと、
1日の活動時間は平日が2時間程度、
土日は3時間程度とすることです。
月に2~3回で、午後4時からの1時間だけの活動「軽運動部」や平日の4日間、午前7時15分から45分間、校庭でボールを蹴ったり、ジョギングしたりする「体力向上部」なども創部されているようです。
最後に私の意見は、オーストラリアの学校のようにクラブ活動を無しにすることを支持します。
15時には帰宅させた方が良いのではないかと思います。
クラブ活動をしたい場合には、主に地域のクラブ活動に参加して自由な時間を楽しめばよいのです。
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