先日、学年生徒約300名に対して話をする機会がありました。
利用できる時間は約10分間。
高校2年生が終わろうとしている今でさえ、
学校に来られなくなってしまう生徒も時に出てしまいます。
その理由は不明です。
私たち教員は、その現象による原因を「ストレス」という使い勝手の良い言葉を多用しがちです。
生徒たちの「ストレス」の軽減の一助になればと考えたのが「しあわせ」に関しての話でした。
「大学進学を選択できるしあわせ」
戦後5年後の1950年、農業などの第1次産業に従事していた割合は48.5%。
その時点でも約半数の人々は農業従事者です。
2人に1人は農業を選ぶという選択肢しかなかったことを話すことで、職業選択の自由がある「しあわせ」を語りました。
「大学進学できるしあわせ」
戦後から10年後の1955年。
大学・短大への進学率は10.1%(男15%、 女5%)でした。
なかでも女性の進学率の5%という少ない数値を確認しました。
2012年のデータでは56.2%(男56.8%、女55.6%)と増加しています。
大学数で比較しても
1955年(昭30)には228大学でしたが2012年(平24)には783大学に増加。
現代は、短大・大学への進学を望めば進学が可能な時代。
大学進学ができるしあわせな時代でもあることをお話ししました。
「都会に暮らす幸せ」
大学進学率の平均が50%というのは日本全体の平均です。
ちなみに、勤務校ではほぼ100%の進学率ですが、
東京の2013年の平均は71.3%(男72.9女69.7)ですが、
岩手県の男性の大学進学率は約35%、
鹿児島県の女性の大学進学率は3割を切っています。
一部は専門学校への進学も考えられますが、
地方居住の場合には高校を卒業後にフリーター、アルバイト、派遣といった不安定な身分で社会へ放り出される高校生の数が多くなっているようです。
「首都圏に生まれ、暮らしている」ことは「しあわせ」かもしれないという話も加えました。
「今の時代に生まれたしあわせ」
乳児死亡率(生後1年未満の死亡)を提示しました。
1900年 24.2%
1950年 15.5%
2011年 0.2%
平均寿命
1950年 男59歳、女62歳
2012年 男79歳、女85歳
1900年に生まれていたら4人に1人しか生き残れなかったこと、
現代では乳児死亡率は極めて低いことを話しました。
今の時代に生まれたしあわせ。
この話から一週間後、
ある生徒から、私の「しあわせ論」に対しての反応を聞く機会がありました。
それは自分の祖父母が東大卒であり、よく自分はバカにされる。
過去の進学率のデータ提示は彼らが優秀であったという証明であり、自分にとっては不愉快なものであったというコメントでした。
不愉快と言いつつも、祖父母の母校名を出してくるのは自慢かもしれないと思いながらも、会話を楽しむことができました。
私にとっては
それは「語り合うしあわせ」や「反応のあったしあわせ」でした。
以上
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