安部公房「他人の顔」~観念的人間の独善性と矮小さ~

2012-07-13 18:25:33 | 本関係
初めてこの本を読んだのは十年以上前のことだが、あとに残ったのは強烈な違和感。それは作品そのものではなく、大江健三郎の解説に対してであったが、私にはそれがどうにも的外れなものに感じられて仕方がなかったのだ。   当時その原因がつかめずもやもやしていたが、先日別の記事で取り上げたついでに読み直し、その正体を見極めることができたように思う。大江は、この小説の構成が極めて偏ったものに見え、ま . . . 本文を読む
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