「うーん、なんかめっちゃ自分のこと褒めてほしいぜ・・・称賛屋~!」
「ういーっす。」
「俺のことめっちゃほめて!!」
「いやーホンマ神やわー。ウルトライケメンに加えて仕事もこなすし家族サービスもバッチリ。会社のトップになる日も遠くないっすね。いや、日本の重鎮にも余裕でなれるんじゃあないすか??」
「うおー!気持ちいいぜぇ・・・いくら?」
「49円っす」
「やしー!」
(参考文献:『えの素』)
てな茶番はさておき、私は最近ある記事を見て驚愕した。というのも、「キャバ嬢の顧客ノートを入手 事細かなプロファイリングに絶句」という記事で、顧客対応のマニュアルや個別の客のプロファイリングがあまりに事細かでびっくりしたと言うのだ。
まああえて書けば、これプレジデントオンラインに掲載されたヤツのようなので、メインの読者層を考えると「あっ・・・(察し)」な感じもするが、割とメインの読者層(の一つ)であろうアラフォー男性の私からすると、なんでこれに絶句するのかよくわからん、というのが正直な感想である。
私は風俗体験レポ的なものをいくつか掲載してきたが、別にそんな経験なくても余裕でわかることじゃないすかね。というのも、キャバクラが接客・営業であるという(当然の)観点に立てば、自分の仕事や身の回りと置き換えてみて、「それなりの額が動く上に製品を売るのではない=personalな領域への依存度が高いなら、顧客から信頼を勝ち取るためにその人を子細に分析し、ニーズにあった対応をする」ことなど「基本のキ」だからである(会社の地位にプライドをもっているならそこを賞賛する、子供を大事にしているならそこを褒める、など。何に重きを置いているかを見抜き、それを承認・肯定する)。
ゆえに、キャバクラ(やホストクラブ)という環境で働いている人々がマニュアルを共有し、顧客をプロファイリングするのは、むしろ褒められてしかるべきであって、やらないのは意識が低いとさえ言えるだろう。
てゆうか、そういうものまで踏まえた上で、「ゲーム」を楽しみに行くのがキャバクラって場所なんだと俺は思ってたんだけど違うんですかね?例えば、宝くじを購入するという行為がある。宝くじは、期待値計算がわかっている者には常識だが、「愚か者の税金」とさえ揶揄されている。それでも買うわけでしょ?その理由は、一つはそもそも構造を理解してないか、もう一つは「わかった上で夢を買ってる」ということだ(これはギャンブルも同じで、「儲かるのは胴元だけ」というのはもはやクリシェの領域である。それでも人は亡霊のようにギャンブルに引き付けられているわけだ)。以上を踏まえると、やるなと言うつもりは全くないが、せめて「バカなことと自覚してやれよ」と思う訳である(ちなみに私はキャバクラに行かないし、宝くじも買わなければギャンブルもやらないが)。
しかし・・・今回の記事がある程度のギャバクラユーザーにとってぎょっとするものであれば、予想外に素でやってる人が多かったってことなんだろう。
「承認欲求を餌」にした商売としてはホストクラブも同じだが、抑圧と袋叩きが横行して承認(×全肯定)が特に枯渇しがちな昨今、金銭面が苦しいにもかかわらずハマってしまう人もいそうだから注意した方がよい。
そういや、「マイノリティリポート」って作品では、マトリックスのポッドみたいな装置の中で周りから賞賛されるVRを見てるおっさんが出てきたが、経済が逼迫してさらに抑圧と不安が強まった時に、人工知能、というかbotの精度が上がったら、キャバクラやホストクラブは貴族の遊戯となって、一般人はなけなしの金をVRにつぎ込むようになるのだろうか(そこにdeveloped TENGAが加わったら、「そして誰もいらなくなった」やな)?と問題提起しつつ、この稿を終えたい。
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