大手予備校の看板講師の授業が無料で見れる時代・・・

2023-12-06 11:05:28 | ことば関連

 

 

 

 

西きょうじの授業動画が無料で見られるとは・・・スゲー時代になったもんやなあ😮

 

ワイは直接習ったことがない(永田達三や福崎俉郎に教わっていた)んで毒書会やってる友人から名前を聞いたことがあるだけだったが、こういう感じなんやねえ。

 

センター試験の文整序問題は論理的思考力を試すものとして昔から有名だったけど、今見ると何とも懐かしいのう。毒書会の相方とは言語教育と論理的思考の話になることも多いので、少しここで触れてみたいと思う。

 

初回の動画では、オリエンテーションをした後(ここが何気に大事)、ディスコースマーカーに言及しつつ解説している。二回目は割と淡々と進んでいくが、その中でassume(思い込む)の説明なんかは結構重要だしもっと説明してもいいんじゃね?と個人的に思った。

 

その理由は二つあるが、一つは、初回のagreeでも言っていたように、単語の意味を丸暗記するのではなく、深い意味や用法を詳しく知ることは文の展開予測などにも極めて重要ということである。

 

例えばit is true that~ときたら、ただ単語を日本語に置き替るだけなら「~ということは真実だ」としか読めないが、文章中に出てきた場合は大抵「なるほど確かに~だが」という譲歩的意味合いを持つことが多く、ゆえにそれは主張と対になる一般論を示すものと理解できる。またtake it for granted that ~は「~を当然のことと思う」という意味だが、より深くは「本当はそうではないのに当然のことと思ってしまう」というニュアンスを持っているので、これもやはりmany peopleとかit seems thatのような一般論となりやすい(つまり、そこに筆者の主張が対比的に述べられることが予測できるわけだ)。

 

で、assumeはどうかと言うと、単に「思う」とか「予測する」ではなく、「根拠なく思い込む」というニュアンスを知っておくと(まあ他にも意味があるので決めつけは危険だが)、これも一般論の符牒だと想定でき、そこから動画にもあるように、逆説による主張の展開を予測できる、というわけである。

 

そしてもう一つは、話が論理的読解からブレるためあえて触れていないのだと思うが、文の順番を考える上では、単語や名詞の変化もヒントになる点だ。動画中では「この指示語が何を指しているか」という形で言及しているが、例えば簡単な事例として、「a boy→the boy」や「a woman→she」のように、限定化・代名詞化といった名詞の変化はヒントになる(これは文を空所に補充する問題なんかでも大変有効)。あるいは先のassume(動詞)が後でassumption(名詞)となるように、過去形や過去分詞、現代分詞のように変化をする動詞が名詞という固定化した形に変化する(名詞化)というのもある。

 

もちろん、どれだけ端的に動画をまとめるかは非常に難しいと思うので、色々なものを削り、精選して今の形になっていると思うので、あくまでこれは一意見である。とはいえ、西きょうじの授業がinstructiveなのはもちろんだが、これらの素材は抽象→具体の構造や一般論VS主張といった論理を考える上で実に学びの多い問題となっており、センター試験ってよくできてたんだなあ・・・と改めて思った次第である。


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