あおぎり高校の萌実さんがVtuber活動8年目にして初の新衣装というのは驚きだが、それ以上にこれほど完璧なメタモルフォーゼがあろうか、というくらいの変化に驚いている話を、とりとめもなくつらつら書いてみようと思う。
萌実と言えば、元々は舌足らずで高めのアニメ声(第一声帯モード)をした不思議キャラだったワケだが、衣装も喋り方も全てが反転したかのような変わりっぷりである。まあ少し前のエトラとのコラボでは、かっこいい衣装の方が好きであるとバラされていたし、そもそも初期は名前を出して活動もしていたためその地声(第二声帯モード)を聞いてみると、明らかにお姉さんボイスであり、完全に真逆の要素をもったアバターを与えられていたことは明白である(あの「親戚のお姉さん」ポジなエトラをして、萌実さんには明らかに頼りにしているというか甘えている感があるあたり、同じグループの先輩だったというだけでなく、実際にお姉さんというか姉御?的要素のある人なのだろう)。
まあ初期の頃は、いわゆる「四天王」が象徴的なように、もっと幼いビジュアルが一般的であったし、「ばーちゃるさん」のようにイロモノ的要素も強かったように思える(これは詳しくないので全くわからないが、例えば初音ミクみたいなもののイメージなどもVtuberのモデリングには投影されていたのだろうか??)。
まあ新奇の存在なのだから当然と言えば当然で、存在を印象付けるためにエキセントリックなキャラを演じるという涙ぐましい努力が要求されていたし、Vtuber黎明期から活動している電脳少女シロの奇矯な発言などは、その典型例だったと言える(あの因幡はねる組長がしきりに裏での気遣いに言及していることからすると、相当に周囲へ配慮する人柄のようだ。ここには認知度が低い頃から活動してきたがゆえの苦労などもあると思われるが、まあ仮にリアル狂人だったら、多少仕事の規模が大きくなってきた時点で支障が出て、早いうちに消えていたものとも思われる)。
しかし今となっては、先日活動再開したキズナアイにしても、そのヴィジュアルは少し大人びたものへと変化しており(当該ライバーの「成長」を表現してもいるのだろうが)、現在のトレンドとしても、幼いビジュアルよりは、やや成熟した見た目にビジュアルを設定したモデリングの方がウケるのだろう。
考えてみると、萌実よりもっと後に出てきたホロライブの姫森ルーナや深層組の小城夜みるくも、幼いビジュアルという点で共通していたが、彼女らが伸びるきっかけになったのは、後者が自身で言及もしているように、その見た目を(前に比べれば)少し大人びたものに変化させたことだった。この事からすれば、幼いアバターというのは、確かに初手の差別化要素でありはするものの、中長期的に見れば足枷になりやすいものと言えるのではないか(でびでび・でびるやルンルンのようなレベルまで振り切ってしまえば話は別だが。あの二人の場合、コアラ&キュウベえファンシーな見た目と可愛い声ながら、そのRP力の高さも含めたインテリジェンスの高さとのギャップがまずあり、しかしそれにもかかわらずポンも頻繁にかますというまた別のギャップ(笑)もあって、それらがトライアングルシナジーを構成して強みになっているように思われる)。
話を戻すと、そういう周辺環境もあってのブランディングで始めた初期ビジュアルとキャラクター性が、ここに来て初めての「分裂」を迎えるという現象は大変興味深い。まあ市場環境が変わり、かつてとは違って、むしろ素に近い表現をした方がより多くの人を惹きつけられるのならそれを採用しない手はなかった、ということなのだろう。あとは元々からのファンの人たちに納得してもらうだけの配慮と仕掛けが重要であり、その取り組みが例えば「第二声帯モード」(実際にはそちらが素に近い声)で歌う歌枠を何度か立て、その声に慣れてもらう、といった行動だったと思われる。
こうしてそのギャップの魅力を十分周知した上で、満を持してこれまで通りのモード第一声帯モード)と、素に近いお姉さん系のビジュアルのモード(第二声帯モード)で使い分ける、という演出方法を採用することにした、というわけだが、新要素を「新しいビジュアルと属性の追加」という形で打ち出してきたのは、上手いしおもしろいとも感じた(まあ現実世界でも二面性や多面性がある人間なんて沢山いることですしおすしw)。
まあとりあえず、おねえスキーのワイにはあまりにビジュアルがドストライク過ぎて、そこから放たれる声は魔球となって我を一撃死に追い込んだので、ジャスティス七ツ球で復活した今こそ、大々的に布教活動を行い、彼女がシャイニングロードを突き進むことを応援したいと思う次第でR(・∀・)
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