流動性への怯えと自己承認の渇望から、空気を読めるだけの日和見主義者と超越的存在に自らを一体化させるヘタレが増えている。かような不安のポピュリズムに対抗するには、自立や自己責任に基づいた研讃を要求する前に、帰れる場所(ホームベース)を用意する必要があるが、この時代には自然に存在しないばかりかグローバル化も避けられぬ以上、戦略的に作り出す他ない。然るに、「ひぐらし」のような信頼を前提にした描き方は、それを戦略的なものではなく所与のものと誤認させ、結果一時のガス抜きにはなっても長期的には現実への絶望とヘタレを量産してしまうのである。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます