どのようにしても拭えない汚濁は、人を諦念へと到らしめる。長年使用したトイレの汚れなどその最たるもので、もはや便器と一体化したやうにすら思える頑強さたるや、「落ちない、汚れが落ちない」とマクベス妻並感を抱かせるのに十分である。
しかし、今ここに飯屋が現れた。我々の営みを嘲笑うかのような宿痾を根こそぎにする、そんな素敵なサムシングが開発されたのである。
正直なところ、これを見た時の感想は「高杉」であったが、もはや絶望の淵から滑り落ちようとする私にとっては、値段が効果を保証すると信じざるをえない状況だったのである(トクホの値下げしないあれらを、値段ゆえに信じたくなるのと似てゐる)。
この試みが失敗したなら、もはや腐海とともに生きる他なし!と神仏に誓いて霧を荒野的な便器に吹き掛けてみれば、それまでの汚濁は痂の如くその力を喪い、下水という奈落へと消えていくではないか。
しかして、宿痾の認識さえ迷妄に過ぎないと識った今、いかで他の汚濁をやと悟り、このSHにてグランドキャニオンたるmy mansionをプレーリーにすると心に決めたのであった。
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