ダシガラ讃歌

2011-12-30 18:06:31 | 不毛漫画

「ジャケ買い」という俗語に象徴されるように、外装だけで購入してしまうことが時としてある。

 

CDほどではないにせよ、本もまた同様のことが起こりえる(もっとも、店頭でCDを普通に購入するという行為もどんどん減ってきているだろうが)。特にエロ本は、インターネットの普及により手に取らせること自体が難しくなりつつある上、封がなされていて中身が見れないため、なおさら表紙で「つかむ」ことが求められている。よって、扇情的な表紙で期待して買ってみれば、中身は単なるAVの紹介写真&記事の羅列・・・などということもしばしば起こり得るわけだ。まあ先に述べたような事情があるので、やり口を批判してもある意味しょうがない。我々にできるのは、せいぜい「わかっていたのにやってしまった」というあの後悔を減らすよう自戒することだけだ。

 

同人誌の場合はさらに甚だしい。選択肢が非常に幅広く、玉石混淆にも程があるため多少致し方ない部分はあるにせよ、20頁で600円という(本来)ブルジョワ、いや貴族趣味的な買い物であるため、失策の衝撃はあたかも山を抜き世を蓋うほどである。同人誌を取り扱う店の多くが中身の一部を見本として可視化しているのは、反乱の防止策としてまことに妥当な処置だと言えよう。

 

その中において、表紙でむしろ損をしている珍しい例がある。それがダシガラ100%(民兵一号)だ。たとえば「カサマニー0ー」の表紙を見てみよう。率直に言って、映えない。いや素人臭がしていささか「残念」な印象すら受ける(その理由は、顔と身体のバランスに加え、輪郭に問題があるからだろう)。しかし中身は肉感的な絵とねちっこい濃厚なエロスの展開される極めてusefulな作品なのである。これほど極端ではなくても、「バレーなんかなかった」、「びたんびたん」などもまた、その中身に見合わぬ極めて凡庸な表紙であると言わざるをえない(本編の魅力をある程度伝えているのはせいぜい「恥辱の液ドナ」くらいではなかろうか)。

 

彼の作品をこよなく愛する人間としてはまことに遺憾であり、その魅力がより多くの人へ適切に伝わるよう、ぜひ改善を要求したいところである。とはいえ、「もつ料理」のように、表紙の描き方を変えることでかつての線の太さ=肉感が失われて魅力が減退したような場合もあるから、なかなか難しいところではあるが。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 師走 | トップ | 鬱アニメ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

不毛漫画」カテゴリの最新記事