森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマボウシ(ミズキ科)

2006年06月05日 | 自然観察日記
 長岡に雪国植物園というのがある。越後の野生種を集め栽培展示をしている。結構貴重種も保護の観点で栽培されてもいる。
 ところが、地元の子供たちで一度も訪れたことのないのが約半数以上いる。昨年秋地元の某小学校の3年4年生を相手にこの植物園を舞台に植物の観察と野遊びをした。そのときにこのヤマボウシが赤い実をたくさん付けていてちょうど食べごろであった。初めて口にする子ばかりで恐る恐る食べはじめてその味を確かめると、次に驚きと歓声に包まれた。
 こんなことも今の子には初体験なのだ。オオバコで草相撲もはじめて、ススキのロケットもはじめて、ツバキの葉の笛なんか誰も知らない。上手く音が出せた女の子は鼻高々。
 自然に親しむに適した年代がある。私は3年~4年とみているが、興味を持って素直に向きあう時期にしっかりと自然に対する感性を鍛えたいものである。
 このヤマボウシは前の山から持ち帰った一枝を挿し木して既に20年以上は経つ6・7mに成長したもので、我が家には2本ある。秋の果実は小鳥の大切な食料になっている。