森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マルバアオダモ(モクセイ科)

2006年06月07日 | 自然観察日記
 この花もいい花だ。もう咲き終わったけれど、ハイキングする山道でところどころにこんもりとした白い綿毛のような感じで咲いている。白い4枚の細長い花弁は付け根まで分裂しまるで糸のように蕊を包んでいるために綿毛の雰囲気をかもし出している。里山にあっては捨てがたい良い樹だと思う。同属にヤマトアオダモも点々とあるのだがこちらは花弁がないから、見た目の印象に大きな差がある。しかし、果実はいずれも翼果といってプロペラを半分にしたような実を付けて、ひらひらと落ちてゆく様は一緒だ。
 この属の木を利用して野球のバットを作るのだそうで需要に見合った材が確保できにくくなったと聞いた。資源の減少が気になる。雌雄異株の樹木だ。