森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コウライテンナンショウ(サトイモ科)

2006年06月15日 | 自然観察日記
 平たく言えばコンニャクの仲間。あるいは清楚な高原のイメージのミズバショウの仲間。しかし、テンナンショウの花は一種独特で、綺麗とか可愛いという印象には程遠い。少々近寄り難い雰囲気があるような気がする。マムシグサなどというものもあるからますます引いてしまう。もっとも、花というのは画像では見えていないけれど、中央のこん棒状のところに付着している小さなものであって、外側のものは苞葉である。
 植物のさく葉標本(押し葉)を作った経験があるのだが、このテンナンショウの仲間の乾きづらいことこの上ない。吸い取り紙の上から重石をしてもなかなか水が抜けなくて、生乾きでは腐敗してしまう厄介者だ。
 ちなみに世界最大の花といわれるショクダイオオコンニャクはこの仲間だ。開花時は悪臭が酷く、某西欧の植物園で開花させたときに見物に来た人が臭いで倒れたという。テンナンショウの臭いを直接嗅いだ経験はないがそれほどの悪臭ではなさそうだ。一度体験せねばならない。