名札にガンピとあるので気を止めました。古来からミツマタやコウゾと並んで和紙の原料として利用されている種です。あいにくガンピの仲間は県内には自生していませんから、普段は全く馴染みのない種です。和紙に利用するくらいですから繊維質が長く強靭な性質があるのでしょう。山の中で雑木の枝を折る時、皮が丈夫でなかなかちぎれないものがありますが、ガンピはおそらくそういうグループなのでしょう。丈夫な繊維を持つものは案外多くありそうですが、紙漉きし易さとか肌触りや光沢等で和紙にふさわしい種は限定されているようです。ジンチョウゲ科の種ですが花のあとに実がついていました。
春の花木にジンチョウゲがあります。あの木の実を見たことがありますか?大陸から渡ってきたジンチョウゲは、キンモクセイと同じで雄木ばかりなので結実することはないのだそうです。しかし、実がつくとすればこんな実のはずです。ガンピもジンジョウゲの仲間ですから・・・。そういえば、県内にはナニワズが自生していました。これもジンチョウゲ科の種でやはり赤い実をたくさんつけています。夏に葉を落とすという変わった習性がある種ですが、臭いは話題になりません。臭いについてはガンピも同じですね。