森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

サイハイラン

2014年04月04日 | 自然観察日記
里山に多いランの一つサイハイランです。昨年の花茎が残り頂部に果実の残骸も付いています。折れずに残っているとは!雪の量が少なかった証拠ですね。今年は降雪量は少なかったのですが、気温がずっと平年以下。それで、春の進みが遅れて結果降雪が多い年と大差ない状況です。なんとなく損をした気分なんです。

サイハイラン果実

2014年04月04日 | 自然観察日記
果実いっても冬を越したもので種子は入っていないでしょう。ランの種子は極めて小さく、胚の栄養に当たる胚乳を持っていません。種子は軽く小さいため遠くまで運ばれやすい利点はありますが、栄養を持たない種子がどうやって生きていくのか・・・。答えは菌にあります。地表にはランと共生するラン菌がいてこの菌と巡り合えて初めて生活ができるのだそうです。膨大もない種子の量からしてラン菌とうまく巡り合える種子は多くないので、ランの個体はそう多くはないということ名になります。
実は菌と植物は切っても切れない関係になっていることがわかっています。菌の研究は進んでいるとはいえまだまだ発展途上。面白い世界が広がっている分野ですね。