森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

イヌドウナ

2018年10月08日 | 自然観察日記
キク科コウモリソウ属の多年草です。タマブキではないかと思っていたのですが、調べてみるとタマブキの特徴であるムカゴがついていないのと花序がどうしても納得いかないので、何度か図説を使い考えました。葉の形質に少し疑問が残るものの最も近い種はイヌドウナと判断しました。
湿気の多い林縁等で見られる種です。アオモリトドマツなどの針葉樹の森が広がる散策道です。コウモリソウ属特有な鋭く尖る葉の形質はなくむしろフキのような感じさえします。イヌドウナはヨブスマソウの変種というイメージでしたから葉の形質がかなり違います。しかし、新版の日本の野生植物をみるとイヌドウナとヨブスマソウの葉の形質はかなり差があることが分かりました。

イヌドウナの葉

2018年10月08日 | 自然観察日記
イヌドウナの葉は翼が出て茎を抱くのが大きな特徴とされています。私が記録したものにはそのような典型的な形質が写っていません。しかし、書によると変異の多い種らしく翼がなくほとんど抱かないものも記載されているそうです。この写真ではわずかに茎を抱く形質が確認できますから、イヌドウナと考えた次第です。
イヌドウナは東北では山菜として沢山利用されている種とのこと。あいにく私は名前は聞いてはいるものの山菜としての採集をしたことがありませんからイヌドウナについては馴染みがほとんどありません。