森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

アマチャヅル(ウリ科)の実

2006年12月03日 | 自然観察日記
 さすがにもう無くなったが、つい最近まで緑の葉に青黒い実を付けていた。薬用植物としても結構耳にする機会があるがまだ口にしたことが無い。大して邪魔になるわけでもないが庭にはびこっている。晩秋、どんどん草木が休眠に入り寂しい時期には遊び相手になってくれる。こんなときにでもないとしみじみとは観察しないかも知れない。青黒い丸い実には鉢巻よろしく丸くリングが施されている。
 花は淡緑色の小さい地味なもの。雌雄異種。アマチャヅル茶の宣伝にサポニンを含むとある。オタネニンジンと同種の成分を含むとなっていた。なかなか優れものなのだ再認識した。

ジャノヒゲ(ユリ科)

2006年12月02日 | 自然観察日記
 雪起こしといわれる雷が鳴り響いた。この時期、気分は「暖かい炬燵にみかん」だから「自然観察」もお休みにしたいところ。しかし、毎日続けているとそうもいかないし励ましてくれる人もいる。話題が季節に合わないこともこれから多いだろう。
 青いルビーの輝きを示すジャノヒゲの実はまだうす青く、この冷え込みでようやく熟すのだろうか。夏に白い花をつけこの時期熟すのだが、いずれも密生して出てくる葉によって見逃すことが多い。葉を押しのけてようやくその実の美しさを実感するのだが、今回はまだダメ。もう少し時間を待って次回には綺麗な紺色の実の輝きを紹介できるだろう。

ポインセチアの「つぼみ」

2006年12月01日 | 自然観察日記
 花ではなく、つぼみである。師走になると大量にポインセチアが市場に出回り華やかになる。誰もが眼を奪われる色鮮やかなのは花弁でなく苞という葉である(花弁と大して変わりないかな)。とにかく、専門的にいうと見慣れた花とは構造が違うので戸惑ってしまうのがトウダイグサ科の植物。
 それで、写真の中央部にとぼけたように唇状のものを付けている丸い一つが、一つの花序なのだが、あえてつぼみと言っておく。この中に雌花と雄花(ここでは表面に先が赤い糸条のものが雄花の成れの果てと思われる)が隠れていてやがて出てくる。唇状のものは腺体といわれるもので蜜などを出すから蕊(しべ:生殖にあずかる)ではない。
 こんなややこしい花を進化させたトウダイグサ科の元になったものとか原因が何だったのかを考え思い巡らすと楽しいものである。