森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオベニゴウガン

2007年02月16日 | 自然観察日記
 先日白いカリアンドラをとりあげましたが、その赤花種です。ベニゴウガンという名が使われています。「オオ」がつくので大型の花の種ということになりますか。花の期間は短いとのことですが、それにしても見事な真ん丸い花です。白い種と赤い種を並べて鑑賞出来るといいですね。
 ネムノキと同じマメ科植物で、花弁がなく雄しべがとても目立つ花です。ネムノキと同属ですから土壌条件栄養条件のいい場所には生育していないのだろうと推測していますが、温室栽培では結構贅沢をさせてもらっているようですね。
 

 胞子の量に驚く

2007年02月15日 | きのこ・菌類
 キノコは難しい代物です。腹菌類の仲間かなと考えているのですが、樹上性で倒木の上に出ています。手近な図鑑には取り上げられていないの種の特定が出来ません。過去にも一度大きなものに出会ったことがありますが、中を割ってみると全部胞子!すごい!
 写真のものは径7-8cmくらいの球体のものでした。ホコリタケのように口が開いて胞子を外に噴出すような構造になっていなくて、自然に割れて崩れながら胞子を散布するような種です。
 おびただしい数の胞子でも次の世代につなげることが出来るのは極々僅かなのだと思います。そう考えると胞子という無性生殖の手段、壮大な無駄?をしているんでしょうね。

拡大鏡の世界

2007年02月14日 | 自然観察日記
 普段目にも留めないミニチュアの世界です。石塀に張り付いたイタチゴケの仲間(と思う)が作るミクロの風景です。黒く突起したのは胞子のう、この中に無性的に作られた胞子が沢山ありますが、教科書ではこの胞子に雌雄があると教えています。この目で確かめたことは一度もありませんが・・・。
 それはそうと顕微鏡の世界という言葉がありますが、そこまで微小でなく「拡大鏡の世界」くらいの範囲は案外知られていない世界で興味深いものが沢山あります。時期的なこともあるのですがとりあげる素材にそろそろ窮してきたころ、意識的に「拡大鏡の世界」にも取り組んでみようかと考えています。

シロダモの実

2007年02月13日 | 自然観察日記
 越後の海岸に近い丘陵に生育している。暖帯系のクスノキ科の植物です。この実は昨年の晩秋にとったものですが少し色付いてきたころのものです。もう少し遅くなると真っ赤に色ずく木で、そんな景色を狙っていたのですがとうとうこの冬は見られずじまいです。
 かなり前のことですが、冬景色の中ドライブをして山のふもとに5~6mくらいのシロダモの木に真っ赤な実がびっしり付いていたのう思い出します。ちょっとした感激でしたから写真で紹介したいと探したんですけれど・・・。
 常緑の亜高木で雌雄異株。葉裏が白く3脈が目立つクスノキ科の特徴をよく示しています。葉をつぶすと匂いも独特ですね。
 

カニステル 偶然の出会い?

2007年02月12日 | 自然観察日記
 先月知人から写真の果物を2個もらいました。私がトロピカルな果物に興味を持っていることをしっていますから、珍しそううなものを見つけたので届けてくれました。私も始めて見るものでどういうグループか判りません。実は固く柿に似た印象です。1個、固い実を割って中の様子を見ましたが味は渋く食べられる様な代物ではありません。正体不明のまま、残りの1個は机の脇に放置されたままになってしまいました。
 先に保内の温室でカニステルの写真を撮っていたのですが調べる過程でいただいた果実がカニステルの実だったことが判明。偶然というか不思議な気持ちです。
 別名「エッグフルーツ」というのだそうで「食感はまるで蒸かし芋みたいな栗のようなゆでタマゴの黄身のようなとにかく不思議な果物です」という説明です。いただいた果実はもう2週間以上もたつのに依然として固いまま。寒いせいなのか熟した感じではありません。まぁそうであっても追って熟すのでしょうから、楽しみが出来ました。(その後判ったことですが、沖縄では結構栽培されているのだそうですね)

アラマンダ

2007年02月11日 | 自然観察日記
 これもキョウチクトウ科の花です。和名でアリアケカズラといいます。残念ながら花が開いていないので前種との比較は出来ませんが、花弁は少し重なり加減で風車状態。実が出来ていましたが栗のようないがいが様です。中はどうなっているのでしょうね。キョウチクトウの仲間は種子に綿毛が沢山ついて風に飛ばされ易い構造のものが多いのですが、きっとこの種もそんな工夫がしてあると思います。

プルメリア

2007年02月10日 | 自然観察日記
 保内の温室です。これも可愛い花です。私はハワイにはいったことがありませんが、ハワイではよく見かけるものだそうです。木には花が残っておらず、散ったばかりの花が足元に一片ありました。
 キョウチクトウ科の植物だそうで、そういわれれば花の感じがテイカカズラやキョウチクトウと同じですね。言葉ではうまく説明できない「感じ」というのが曲者なのですが、しかし重要なんです。キョウチクトウ科の花にはそれなりの共通した特徴があって、瞬時に重なるので「ピン」とくるのです。それを言葉で表すと「風車のような花弁の配置」でしょうか。葉などを傷つけると乳液が出るとのこと(実験はしていません)、有毒植物です。

自然を楽しむもう一つの方法?

2007年02月09日 | 自然観察日記
 出来上がった写真をじーっと見ていたら、人の顔に見えてきました。冬枯れの雑木林を散策しながらたまたま切り取ったワンシーン。丸いつぼみが眼に見えて私に何かを語りかけるよう。自然を楽しむもう一つの方法を見つけた気分です。
 これはクロモジ(クスノキ科)の冬芽。丸は花芽でやりは葉芽。もう直ぐうす黄緑の花が塊になって咲き出します。リナロールなどの精油成分を含み香りが良いのでつまようじに使われます。越後の里山を構成する重要な種でもあり、ごく当たり前にクロモジ(オオバクロモジ)がありますから、森林インストラクターの仕事で里山を案内するときは必ず登場してもらう素材です。


キングサンタンカ

2007年02月08日 | 自然観察日記
 鉢植えのものとしてよく見かけるサンタンカ。少し雰囲気が異なりますが大型種のキングサンタンカというものが保内温室にありました。アカネ科の常緑低木でマレーシアやインドネシアなどの熱帯に自生しているものだそうです。
 サンタンカはとても花が目立つものですが、このキングサンタンカは花そのものは確かに豪華で存在感はあるのですが、全体としてむしろ落ち着いた感じがしますね。それは、花の葉の比率に関係する気がします。ちょうど夕暮れ時でこんもりとした茂みのの中に灯火でもともっているような風情でした。

倒木が教えてくれること

2007年02月07日 | きのこ・菌類
 昨日取り上げたナラタケの菌束が巻きついていた枯死木(コナラ)です。この部分にフジが巻きついたあとが残っていました。コナラの枯死した原因はいろいろありのでしょうが、おそらくこの巻きついたフジにの大きな原因があるのだろうと思います。ナラタケはその次の原因と思います。
 フジは蔓植物、樹木に巻きついて林冠に登りそこで展葉し光合成を営みますが、巻きついた樹木を絞め殺す効果があると思います。巻きついた樹木が耐え切れず枯死し倒壊すれば、皮肉にもフジ自身も倒れ場合によっては枯死します。生きることの工夫とともにその矛盾も受け入れないといけないということでしょうか。
 その結果とも思える姿がここにありました。こんな因果を探すのも自然散策の興味の尽きない点ですね。

何か判りますか?

2007年02月06日 | 自然観察日記
雑木林の枯死木の表面がはがれて、中に根っこのようなものが縦横無尽にはびこっています。これはナラタケの菌糸束というもので、長岡当たりでは「アマンダレ」と重宝がられるキノコ本体です。名だたる木材腐朽菌で、林業の世界では害菌の冴えたるものです。この様子を見ればそれもうなずけますね。
 秋に我が家に大発生したキノコはこの仲間の種ですから、逃げ出さないように厳重に管理しないといけませんね。

アナナスの1種です

2007年02月05日 | 自然観察日記
 名前は不明ですがこれもアナナスの一種です。見慣れているアナナスは苞が綺麗な色をしているのが多く、花の感じもかなり違いますから「なんだろう?」という感じでしたが葉を見れば納得です。
 アナナスは乾燥という条件にきわめて耐性を発揮するグループとして知られています。極め付きは俗にエアープランツと呼ばれるもの。我が家にもかなり前からいついています。「ブルボーサ」という種ですが、ときどき水をかけるだけのほったらかしで機嫌が悪くなるような感じでもなく大きく成長するわけでもなく同じ状態を続けています。まだ花を見たことがありません。
 アナナスの仲間は花が咲くと枯死する性質を持つものが多いとか。「ブルボーサ」もひょっとしてそんな性質があるのかもしれません。花を見るとそれが終わりの合図なのだとすると、このまま花が咲かないほうがいいのかもしれません。

瑠璃色の実

2007年02月04日 | 自然観察日記
 12月にブログに載せたジャノヒゲです。あの時はまだ熟していないものでしたが、今回は成熟したものです。綺麗な瑠璃色です。この色彩のものを身近に探そうとしても思いつきません。まして冬の時期ですから貴重な彩です。実は蜜に生えた細長い葉の中に隠れていますから、葉を掻き分けてやっと見れるものです。
 節分の昨日は春のような穏やかな日ですが、立春の今日は寒風が吹きすさんで雪囲いの一部が破損しました。片づけやら修理やらのついでにふと目に留まったジャノヒゲ、瑠璃色の実がなんともいえない安らぎを与えてくれます。


ツバキ ヤブかユキか

2007年02月03日 | 自然観察日記
 越後の海岸沿いに暖地系のヤブツバキがあります。これも早春の花ですね。しかし、長岡など内陸の里山はユキツバキが定番です。ここは西山ですからヤブツバキの方がいいのかなと思いますが、しっかりと種の判定をしてきませんでした。躍起になってユキワリソウを探す最中の出会いで、やや急斜面意咲いていたツバキでしたから・・という言い訳。ユキツバキなら雄しべの花糸が黄色くなります。
 ところで、ユキツバキは多雪地帯の適応種、雪に押されても耐えられる特性を持ちますが寒さに対する耐性はむしろ劣るという話を聞いたことがあります。厚い雪のコートが必要だというのですが面白いですね。
 越後には、ヤブツバキとユキツバキが混成する地域もあって、さらに両種の雑種もあるのですが「ユキバタツバキ」というのだそうです。ツバキもいろいろなのです。


何に見える?

2007年02月02日 | 自然観察日記
 何でしょう。ちょっとエイリアンが顔を出したような・・・。葉を見れば見当がつくでしょうが、カンアオイのつぼみです。なんとなくグロテスクですね。春先、咲き出してもほとんど気づく人がいない花でそれはそれは地味な存在です。
 如月に入ってようやく例年の気候になってきました。今日は15cm程度の積雪です。もちろん今年度の最深積雪。
 ユキワリソウやカンアオイもきっと雪ノ下になったと思います。野の花もまだまだ忍耐の季節は続きます。