森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マルバグミ ①

2011年02月16日 | 自然観察日記
本当は昨年の11月頃にこのブログに載せようとした素材なのですが、明確な判断が出来ないで躊躇してしまい未投稿状態。先日師と仰ぐI先生にお会いできこの件を話をしてようやく疑問が解けましたので、やや季節外れの投稿になりました。
晩秋、公園の一角に花をつけているグミの木を見つけました。実は園内バスの路線沿いにありますから、移動中はバスの中からかなり頻繁に目にしていててっきり海岸の防砂林によく利用されているアキグミと思い込んでいたものでした。たまたま観察しながら歩く機会があって、この花に気づいたという次第です。問題は花の時期。晩秋に花をつけるグミは初めてで、私の中では大問題になったのです。


マルバグミ ②

2011年02月16日 | 自然観察日記
さぁ大変!私の「辞書」にはない状況で、文献で調べてみるとマルバグミ(オオバクミ)ということになりました。説明によると関東以西の海岸に生息する種とあります。
生育している位置からして自生というわけでもなく持ち込まれたものと思われます。3ケ月くらいの空白がありましたが、ようやく一つの宿題が解決した面持ちです。
I先生によれば自生というわけではないが県内でも点々と見られるそうです。こんな山の中に持ち込んだとしたならどういういきさつがあったのでしょうか、興味深いですね。こんな地味な植物を・・・・。丸っこい小さな花が鈴生りで近くで見ればなかなかかわいいのですが離れれば花をつけている事に気づかないほどです。グミの仲間は4数性。

キジ 1

2011年02月15日 | 自然観察日記
我が家にキジが来ました。冬場には融雪用の水を流しているせいで、晴れると土がむき出しになるところがあります。この季節この場所をめがけて結構いろいろな鳥が集まります。昨年はヤマドリを見かけました(今年も)し、水が溜まった場所にはマガモなどもいます。
朝出掛けに車庫まで歩こうとしたときにキジに出会いました。キジは雄で、我が家の庭に姿を見せたのは初めてですね。私の気配を察しって地面から雪に埋もれた木々の中に身を隠そうとします。少し遠いのと雪の中の被写体はなかなか露出なども上手くいきません。

キジ 2

2011年02月15日 | 自然観察日記
それでも後を追いかけていくと悠然と雪原を歩いていきます。これ以上追うと羽ばたいて飛んでいきますからそっと見送ることにして、出勤のため車を動かせました。普段はどこが根城になっているのでしょうか。私の住む町は水田の広がる平坦地。キジがすめそうな藪は余りありません。

カンアオイの仲間

2011年02月14日 | 自然観察日記
カンアオイノ愛好かも多いようでさまざまなものが店頭に並びます。越後でみるカンアオイノ仲間は、コシノカンアオイ、ユキグニカンアオイ、フタバアオイ、ウスバサイシンくらいしか思い出せません。この仲間は分布域を拡大するのに1万年に1kmくらいとかいう話があって「貴重なものなのだ」という強い教えがあったものです。アリが種子散布にかかわっているということですから、ゆっくりとした速度であることは間違いないようです。ですから、日本各地に独特な種がさまざまあってそれがマニアにはたまらないのでしょうね。雪が消えると里山にも沢山のコシノカンアオイの花が見られます。でも、あまり知られていないのです。

がく筒と花冠

2011年02月13日 | 自然観察日記
5個に割れた花弁様のものはがく片で全体が筒になっています。これはアカネ科の花で、例えば里山ではツルアリドウシの花にも見られる構造です。丸く脹らんだものはまだつぼみ状態の花冠。花冠はやや長い筒状で先にラッパ状に開花します。わざわざがく片に色彩を持つ必要はないのですが、このニオイザクラ(ルクリア)はつぼみのうちから艶やかですね。

サルビアの仲間

2011年02月12日 | 自然観察日記
相変わらずの銀世界に包まれての結構忙しい日々。どうしても雪国はモノクロの世界になりがちなのですが、たった一輪の艶やかな色の花が瞬時に気持ちに活力を与えてくれます。「北に住む人は しあわせ 春を迎える よろこびを 誰より強く 感じることが できるから」という歌がありますが、ここに歌われている心情と一輪のサルビアの花を見て感じる想い・・。「耐える」ということがあって始めて分かる深みですね。
ミニアータセージという名札が付いていました。ハーブの一種としても扱われているようです。

コナラの冬芽

2011年02月11日 | 自然観察日記
これはりっぱなコナラの冬芽、芽鱗の数が大変多い気がします。完全防具で芽を臍しています。結構寒がりなんでしょうかね。それとも昆虫など外敵に対する防衛なのでしょうか。主芽がなくなってもいいように副芽も幾つかあって備えは万全です。沢山保険をかけている姿がほほえましいですね。こんなマイナーなものを取り上げてはお読みになっておられる方には退屈なのでしょうが、この季節の話題探しに苦労しているのであります。ハイ!

ハンノキの雄花

2011年02月10日 | 自然観察日記
雪原にすっくとそびえるハンノキの大樹。まだまだ雪消えの春には程遠いのですがもう雄花が脹らんできたように思えるほどです。赤みを増してきた雄花が遠目でも確認できますね。青い空に浮かぶ雄花を見て、春のそのときが待ち遠しくなりました。

ヒマラヤシーダ 実(一部)

2011年02月09日 | 自然観察日記
リースを作るという機会がありました。そこに持ち込まれた材料がなかなかユニークです。アワやムギなどほとんどのものが色素を吸収させた色鮮やかな乾燥品。なかなか手間がかかっているなぁと感心。そんな中で見つけたひとつがこのヒマラヤシーダの実です。以前知人が平たいマツボックリのようなものが付けられた飾りをヒマラヤシーダだと言い張っていて、困惑したことがあります。私の頭の中では次(下)に示すような細長い果実としてインプットされていますから、平たいマツボックリとは重なりません。しかし、ここでようやくこの宿題が解決しました。ヒマラヤシーダはもともとは細長いものなのですが、下の方が崩れてばらばらになりやすく、上部の部分しか持たないのです。したがってこの部分だけがリースなどの飾りの素材に使われるのですね。

エゾマツ 実

2011年02月09日 | 自然観察日記
エゾマツの果実です。これもリースの素材ですから余計なものは付いていません。種子なども全くありませんでした。ヒマラヤシーダもこんな形なのですが、この上部だけがリースの素材に利用されているようです。

トベラの実

2011年02月08日 | 自然観察日記
長岡にいるとトベラにはほとんど縁がありません。しかし、新潟でも時たま海岸近くに行くとトベラの樹が散見されます。庭木にしている家庭もあって海側の町にはそれほど珍しいものではないのですが、内陸の人間にとってはこんな赤い実がはじけていると感動ものです。トベラの花は知っていてもこの「赤色」はトベラと結びついていません。時間があればちょっと出掛けるということは新しい発見をすることが出来ますから、心身の健康にもいいことのようです。

センダン

2011年02月07日 | 自然観察日記
白い実をたわわにつけた高木が数株植えられている場所があって、覗きに行きました。遠目では何か分からなかったのですが、樹肌と樹の雰囲気でセンダンと判明。花の時期はそれなりに記憶していますが、実の季節はこれが始めてでしょうか。植物の世界は奥が深いから、いつもいつも新鮮なことばかりです。普段あまり意識していない街路樹を調べてみると結構面白いことが分かるかもしれませんね。

センダン 実

2011年02月07日 | 自然観察日記
たわわに実ったセンダンの実です。この図は12月のものですがあまり小鳥には人気がないようでまだまだ沢山残っていました。冬を越した実には灰汁が減って食べやすくなるという話もあります。春先のまだ餌の少ない時期に小鳥がついばむかもしれません。その頃にまた事後観察でもしてみたいと思います。
これだけの量だと何かに使えそうな気がしますが、調べるとインフルエンザウイルスに効果があるという記述がありました。利用を研究している人がいるんですね。

スズカケノキ

2011年02月06日 | 自然観察日記
新潟に出向きました。ある道路沿いに植えられていたスズカケノキ。何気なく見上げた先に寒空に実がぽつん・・・。こんな時期にでもないと気づかない光景です。ちょっとセンチな気分になって先を急ぎます。