「キル・ビル」のルーツを探せ!(その15)★オイラが一番好きな飛行機のシーンは「ゴケミドロ」
■「吸血鬼ゴケミドロ/Goke : Body Snatcher From Hell」(1968年・日本)
監督=佐藤肇
主演=吉田輝男 佐藤友美 高英男 金子信雄
ブライドが沖縄から東京入りする場面。ミニチュア旅客機がコテコテの特撮背景をバックに飛行する不思議な場面が挿入される。真っ赤な空とヨロヨロしながら飛ぶ飛行機。タランティーノは「吸血鬼ゴケミドロ」の冒頭、血のような色の空を背景に飛ぶ旅客機のシーンがお気に入りだとか。「vol.1」では、そのサイケなイメージの空を黒澤明映画で背景を担当していた島倉仁さんが描いた。「夢」とかやってらっしゃる方なのだろうか。さらに飛行機が飛ぶ夜景は、「サンダ対ガイラ」の夜の街をイメージしているという。タランティーノ、本当にいろんなもの観ているよねぇ。街のセットは「ゴジラ」の撮影スタッフが協力した。あちこちに"Red Apple"というタバコ(「パルプ・フィクション」にも登場するらしい)の看板が見られるが、その看板モデルがオーレン・イシイの弁護士役ジュリー・ドレフュスというのもお見逃しなく。
さてそんなタランティーノの思い入れたっぷりの「吸血鬼ゴケミドロ」。映画の冒頭、いきなりその血の色の空が登場するから、僕は「あ、これ!これ!」と思わず口にして吹き出してしまった。宇宙からやってきた寄生生命体ゴケミドロは人類を抹殺し、地球征服を企んでいる。青白い発光体に遭遇して旅客機は墜落、周りは岩だらけで何もない山中に乗客だけが取り残される。極限状態の乗客たちが次第にエゴをむき出しにしていく様は観ていてこちらまで息苦しくなるが、その異様な雰囲気にグイグイ引き込まれる。そして殺し屋(高英男)の脳に寄生したゴケミドロは次々と乗客を襲い始める。パニック映画でもあり、ホラー映画もあり、侵略SFでもある本作、カルトムービーとして人気がある映画だそうだ。松竹の特撮ものというと「宇宙怪獣ギララ」(妙な映画だったなぁ)の(悪い)イメージが強いのだけれど、本作は細部まで強いこだわりが感じられる力作。世界中で繰り返される戦争・テロに対する怒りがこの映画の根底にある。救いのないラストにものすごい後味の悪さが残るけれど、「仮面ライダー」のBGMを思わせる菊池俊輔の音楽と共に、きっと忘れられない映画となることだろう。必見!。
(追記)タランティーノは「エアポート75」のようなパニック映画が撮りたいと言っているそうな。となりゃあ、お気に入りの「ゴケミドロ」が影響しないはずはないよね!。冒頭の鳥が窓に当たる場面、再現して欲しいなぁ。そしてスチュワーデス役はもちろん「ジャッキー・ブラウン」のパム・グリアで!。
■「吸血鬼ゴケミドロ/Goke : Body Snatcher From Hell」(1968年・日本)
監督=佐藤肇
主演=吉田輝男 佐藤友美 高英男 金子信雄
ブライドが沖縄から東京入りする場面。ミニチュア旅客機がコテコテの特撮背景をバックに飛行する不思議な場面が挿入される。真っ赤な空とヨロヨロしながら飛ぶ飛行機。タランティーノは「吸血鬼ゴケミドロ」の冒頭、血のような色の空を背景に飛ぶ旅客機のシーンがお気に入りだとか。「vol.1」では、そのサイケなイメージの空を黒澤明映画で背景を担当していた島倉仁さんが描いた。「夢」とかやってらっしゃる方なのだろうか。さらに飛行機が飛ぶ夜景は、「サンダ対ガイラ」の夜の街をイメージしているという。タランティーノ、本当にいろんなもの観ているよねぇ。街のセットは「ゴジラ」の撮影スタッフが協力した。あちこちに"Red Apple"というタバコ(「パルプ・フィクション」にも登場するらしい)の看板が見られるが、その看板モデルがオーレン・イシイの弁護士役ジュリー・ドレフュスというのもお見逃しなく。
さてそんなタランティーノの思い入れたっぷりの「吸血鬼ゴケミドロ」。映画の冒頭、いきなりその血の色の空が登場するから、僕は「あ、これ!これ!」と思わず口にして吹き出してしまった。宇宙からやってきた寄生生命体ゴケミドロは人類を抹殺し、地球征服を企んでいる。青白い発光体に遭遇して旅客機は墜落、周りは岩だらけで何もない山中に乗客だけが取り残される。極限状態の乗客たちが次第にエゴをむき出しにしていく様は観ていてこちらまで息苦しくなるが、その異様な雰囲気にグイグイ引き込まれる。そして殺し屋(高英男)の脳に寄生したゴケミドロは次々と乗客を襲い始める。パニック映画でもあり、ホラー映画もあり、侵略SFでもある本作、カルトムービーとして人気がある映画だそうだ。松竹の特撮ものというと「宇宙怪獣ギララ」(妙な映画だったなぁ)の(悪い)イメージが強いのだけれど、本作は細部まで強いこだわりが感じられる力作。世界中で繰り返される戦争・テロに対する怒りがこの映画の根底にある。救いのないラストにものすごい後味の悪さが残るけれど、「仮面ライダー」のBGMを思わせる菊池俊輔の音楽と共に、きっと忘れられない映画となることだろう。必見!。
(追記)タランティーノは「エアポート75」のようなパニック映画が撮りたいと言っているそうな。となりゃあ、お気に入りの「ゴケミドロ」が影響しないはずはないよね!。冒頭の鳥が窓に当たる場面、再現して欲しいなぁ。そしてスチュワーデス役はもちろん「ジャッキー・ブラウン」のパム・グリアで!。