Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

スネーキーモンキー 蛇拳

2013-11-14 | キル・ビルのルーツを探せ!
「キル・ビル」のルーツを探せ!(その22)★ユアン・ウー・ピン監督作

■「スネーキーモンキー 蛇拳/蛇形拳 (Snake In The Eagle's Shadow)」(1976年・香港)

監督=ユアン・ウー・ピン
主演=ジャッキー・チェン ユアン・シャオティエン ホアン・チョン・リー

 「キル・ビル」の武術指導を担当したユアン・ウー・ピン。他にも「マトリックス」や「グリーン・デスティニー」のアクション監督としてハリウッドで大活躍している。彼が弟たちと組んだ袁家班のワイヤーワーク技術にハリウッドが魅了され、今や世界のものとなったのだ。80年代には低迷していた時期があったが、リー・リンチェイの「ワンチャイ」シリーズでその技術が高く評価された。そんな彼の初監督作品が「スネーキーモンキー 蛇拳」である。ブルース・リーのシリアスなカンフー映画とは全く違ったそのスタイルは観客にも受け入れられ、続く「ドランクモンキー 酔拳」と共に大ヒットを記録した。

 タランティーノは、ユアン・ウー・ピン監督作では「蛇拳」が一番好きだという。隠れた秀作を彼が紹介するクエンティン・タランティーノ映画祭でも紹介されている。蛇形派を抹殺しようとする鷹爪派。蛇形派の生き残りの名手たる老人(ユアン・シャオティエン ユアン・ウーピンの実父)は追われる身となる。ふとしたことから老人を助けた主人公チェン(ジャッキー・チェン)。彼は道場の門下生からいじめられる存在だった。老人は彼に蛇拳を教えるのだが、3つのことを約束させる。それは師匠と呼ばないこと、むやみに技を使わないこと、老人が危ないときにも手出しをしないことだった。やがて追っ手は迫り、老人に危機が。チェンは蛇拳に猫の動きを加えてあみだした自身の技で、敵を倒すのだった。この後の「酔拳」の明るさと比べると、やはり悲壮感が漂う。だが、師範(ディーン・セキ)のいじめをかわす場面の面白さ、また”復讐”という常道を外した物語は、当時のカンフー映画では革命的なものだった。僕はTVの映画番組で初めて観ることになるのだが、当時「なーんだ、やっぱり純粋な蛇拳だけでは勝てないんじゃん!」と生意気にも思ったものだ。

 「蛇拳」のクライマックスは、鷹爪拳のホアン・チョン・リーと、蛇拳のジャッキー・チェンが戦う場面。「vol.2」でブライドがパイ・メイに弟子入りを志願する場面では、パイ・メイは鷹爪拳、ブライドは蛇拳と鶴拳で戦っており、「蛇拳」の影響と考えることができるだろう。タランティーノはユアン・ウー・ピンを使って「蛇拳」を再現させたのだ。



『ドランクモンキー 酔拳』 『スネーキーモンキー 蛇拳』製作35周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイBOX (初回生産限定) [Blu-ray]『ドランクモンキー 酔拳』 『スネーキーモンキー 蛇拳』製作35周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイBOX (初回生産限定) [Blu-ray]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2013-12-20
売り上げランキング : 112

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

蛇拳 [DVD]蛇拳 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-12-02
売り上げランキング : 19013

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする