■Dune (Desert Theme)/Toto
From「砂の惑星/Dune」(1984年・アメリカ)
監督=デビッド・リンチ
主演=カイル・マクラクラン ユルゲン・プロホノフ フランチェスカ・アニス マックス・フォン・シドー
偶然なのか世の流れだったのか知らないが、結果としてプロデューサーのディーノ・デ・ラウレンティス氏は、80年代初めにロックファンに二つの大きなサントラのプレゼントをくれた。ひとつはクィーンに音楽を担当させた「フラッシュ・ゴードン」。そして今ひとつはTotoに音楽を担当させた「砂の惑星」である。
ボズ・スキャッグスらのアルバムで、セッション・ミュージシャンとして活躍していた腕利きたちが結成したバンドであることは、今さら言うまでもないだろう。Totoの楽曲には様々な魅力がある。①フュージョンのようなハイテクの演奏に支えられた楽曲、②AOR的な楽曲、③ロックミュージックとして・・・ファンによってもどの辺に魅了されているかが分かれるバンドでもある。このサントラはそうしたイメージとは異なり、ほとんどの楽曲がオーケストラで演奏されている。クレジットはToto名義ではあるけれど、キーボードのデビッド・ペイチと彼の父親マーティ・ペイチが中心となって製作されたものらしい。しかし上に挙げた Dune (Desert Theme) は複雑な構成と変拍子のバンドサウンドで、これは従来のTotoファン(特に上に挙げた①好きには)納得の楽曲だろう。特筆すべきはブライアン・イーノの参加だな。9曲目の Prophecy Theme は彼の作品。
監督は「エレファントマン」で一般的にブレイクしたばかりだったデビッド・リンチ。主演がこれが映画デビュー作(いきなり主演!)だったカイル・マクラクラン。ここから「ブルー・ベルベット」や「ツインピークス」と続く、リンチとマクラクランのコンビが始まったのだ。TV用長尺版がビデオリリースされているけれど、リンチはその扱いに納得していない為、そちらでは名義がアラン・スミシーとなっている。好きな人にはたまらん映画だとは思うのね。でもクリーチャーの造形や登場人物たちは初めて観たときには悪趣味としか思えなかったしなぁ・・・好きな映画とは僕はお世辞にも言えない。僕の周辺の人々は口々に”あの砂虫が×××にしか見えない!”というのだが皆さんはいかが?。リンチ映画自体は嫌いではないけどね(但し「イレイザー・ヘッド」は除く)。脇役にはホセ・フェラー、マックス・フォン・シドー、シルバーナ・マンガーノら大物も出演。そしてロックファンにはスティングの勇姿が忘れられない。しかし興行的に大失敗したのは、多くの映画ファンはご存じのことだろう。
※Toto関連の曲が流れる主な映画(各人がプレイヤーとして参加したものは除く・Toto名義のみ)
1977年・「サタデー・ナイトフィーバー」 = Second Lowdown (クレジットなし)
1984年・「砂の惑星」 = 上記参照
1992年・「アメリカン・ハート」 = Fast Blues (Jeff Porcaro, Mike Porcaro, David Paich, Lonny Castro and Mark Bonilla)
デューン 砂の惑星 【HDリマスター版】 [DVD] ビデオメーカー 2010-08-03 売り上げランキング : 13416 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
Dune Toto Universal I.S. 1986-05-01 売り上げランキング : 94001 Amazonで詳しく見る by G-Tools |